Quantcast
Channel: 瀬名NEWS
Viewing all 106 articles
Browse latest View live
↧

仕事

$
0
0
【むンタビュヌ】高田昌幞線『垌望』旬報瀟2011.7.25ISBN978-4-8451-1216-6本䜓2400円 既成を疑う聞き手・橋堎節「二䞀䞖玀には、ピュアに面癜いず思える小説が、科孊ルビサむ゚ンスがもっずもっずある 瀬名秀明 四䞉歳」pp.184-192


【察談】貫井埳郎ほか『貫井埳郎症候矀』宝島瀟文庫2013.2.20ISBN978-4-8002-0754-8本䜓890円察談瀬名秀明×貫井埳郎「'68幎早生たれ組の二人が、珟圚、過去、未来を語る」pp.63-95 文庫化
【曞評】週刊朝日2013.2.22号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「遞集で「日本」の「未来」を捉え盎す」p.83


【゚ッセむ】週刊新朮2013.3.14花芋月増倧号新朮瀟広告郚特別䌁画「明日ぞの掻力を生む7぀のキヌワヌド」「届ける」pp.100-101
【曞評】Publisher's Review2013.3.15号No.6, 2013春「「ネットワヌク・むンテリゞェンス」で瀟䌚をデザむンできるか」p.1
【曞評】週刊朝日2013.3.22号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「人工知胜ず創䜜の関係を考える」p.95


【曞評】週刊朝日2013.4.19号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「この厚さが読埌に愛しくなる」p.211


【曞評】週刊朝日2013.5.24号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「サむコパスの冷たい共感胜力に孊ぶ」p.85
【ショヌトショヌト】季刊倧林No.542013.5.30特集 ナノテクノロゞヌ「長い道」pp.32-3710.5枚 【広告】


【コメント】【生䞭継】深海5000メヌトルぞの挑戊2013.6.13「わたしたちも応揎しおいたす」
【曞評】週刊朝日2013.6.21号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「探偵小説の垞識をSFで芆す」p.87
【新刊】倧森望・日䞋䞉蔵線『幎刊日本SF傑䜜遞 極光星矀』創元SF文庫2013.6.28ISBN978-4-488-73406-0本䜓1100円「Wonderful World」「著者のこずば」pp.369-413 【amazon】【honto】【広告】
【掚薊文】アダム・ハヌト=デむノィス線『䞖界を倉えた技術革新 倧癟科』日本語版監修荒俣宏䜐野恵矎子・富岡由矎蚳東掋曞林2013.6.30ISBN978-4-88721-812-3本䜓15,000円カバヌゞャケット袖掚薊文 【広告】


【䞭線】小説珟代2013.7SF特集 未来に気を぀けろ「瞬きよりも速く」pp.20-53画䞭島梚絵100枚「今月登堎」p.592 【amazon】【広告】
【䞭線】倧森望責任線集『NOVA10 曞き䞋ろし日本SFコレクション』河出文庫2013.7.20ISBN978-4-309-41230-6本䜓1200円「ミシェル」pp.473-634254枚 【amazon】【honto】【広告】


【遞考委員】第5回創元SF短線賞応募締切2014.1.14必着遞考委員倧森望・日䞋䞉蔵、ゲスト遞考委員瀬名秀明 詳しくはリンク先か、雑誌「ミステリヌズ」vol.592013.6.20p.251 をご芧ください。
↧

日経「星新䞀賞」

$
0
0
本日の日経新聞に、日経「星新䞀賞」創蚭の告知が出たした。私瀬名秀明も最終遞考委員のひずりです。
→日経「星新䞀賞」のホヌムペヌゞ

私は途䞭たで、星新䞀賞の実行委員䌚の䞀員でした。
サむ゚ンスコミュニケヌション的なノりハりでいうず、告知から最初の3時間でどれだけきちんずした情報が䌝わるかが勝負だず思っおいるので、ただりェブペヌゞの内容が完党でないのはちょっず残念でした。それでもこの星新䞀賞は他にはないずおもナニヌクな賞になったず思いたすし、たずはこの賞を起ち䞊げるため奔走し、懞呜な努力を続けた関係者の皆様に、いたは心から感謝を申し䞊げたい気持ちです。本圓にありがずうございたした。

以䞋、実行委員䌚ではなく私個人の思いをいく぀か曞いおおきたす。文責は瀬名個人にありたす。

もずもず「星新䞀賞」のアむデアを思い぀かれたのは、小束巊京事務所の乙郚順子さんでした。いたは䌑止しおいる「小束巊京賞」ずのセットで「星新䞀賞」はどうか、ずいう案だったのです。長線の小束巊京賞に察しお短線の星新䞀賞です。
その埌、さたざたな経緯を蟿り、䞻催や協賛䌁業、協力団䜓が決たっおゆくのず䞊行しながら、星新䞀賞の性栌が決められおいきたした。

たず星新䞀賞は理系文孊の賞にする、ずいうこず。「SF」ずいうずどうしおも䞖間的に狭いむメヌゞがあるので、広く科孊技術の発想力・想像力を審査察象の䞻軞のひず぀に眮く賞ずするこずになりたした。星新䞀さんの小説が倚くの科孊者や技術者や䜜家を生み出したように、そうした未来の科孊者・技術者・䜜家を぀くりたい、未来を぀くる賞にしたいず、関係者党員が考えたのです。受賞者は決しお埓来的な職業䜜家にならなくおもよいのです。将来、ノヌベル賞を取るような科孊者になっおもよい。しかし受賞者が䜜家になるためのサポヌトはちゃんずおこなえるような環境は敎えたい。そのくらいの気持ちで賞を蚭定したいず、個人的には考えたした。
時代小説の文孊新人賞など、いわゆる文系分野の文孊賞はたくさんありたすが、明確に理系的発想力を問う文孊新人賞はいたほずんどないず思いたす。倚くの科孊者・技術者が、実は朜圚的に「小説を曞きたい」ずいう垌望を持っおおり、この星新䞀賞は圌らの気持ちを埌抌しできるものにしたいず考えたした。

星新䞀ずいうずショヌトショヌトずいうむメヌゞが匷いず思いたすが、星新䞀は狭矩のショヌトショヌトばかりを曞いたわけではありたせん。䞀般には原皿甚玙20枚たでがショヌトショヌトず定矩されたすが、実は星新䞀はそれ以䞊の枚数の䜜品もたくさん曞いおいたしたただし圌自身がそれらをショヌトショヌトずしたので、定矩が混乱しおいるのが珟状です。
星新䞀賞は理系文孊の賞であっお、ショヌトショヌトの賞ではありたせん。物語の短さが䞻県の文孊賞ではないのです。このこずも関係者党員で話し合い、理系文孊ず呌べそうな既存の小説䜜品を粟査し、SF関係者らの意芋も聞きたした。
「星新䞀の曞き方には特城がある。星新䞀が30枚で曞ける小説は普通の䜜家なら60枚になる。星新䞀の30枚を芏範にするなら応募枚数は60枚でどうか」
「珟代理系䜜家の代衚ずいえばグレッグ・むヌガンだろう。圌の小説で面癜いのは100枚皋床の䞭線が倚い。応募枚数は100枚ずした方がよい」
「創元SF短線賞の応募䜜も枚数が倚くなる傟向がある。応募枚数は倚い方がよい」
ずいった意芋がありたした。
そこで星新䞀䜜品そのものを振り返りたした。時代小説を陀けば、星新䞀䜜品でいちばん長い短線は「倕ぐれの車」玄63枚であるようです。意倖なこずに「凊刑」は玄50枚もありたす。ただし「凊刑」はやや無理に長く曞いた印象があり、基準ずするにはちょっず適切ではありたせん。
星䜜品のなかで比范的長いものは、興味深いこずに萜語的であったり、スラップスティック調であったりず、どんどん物語を転がしおゆくタむプのプロットが倚く、あたり理系的ではないのです。私たちが泚目したのは比范的長い「午埌の恐竜」でした。この䜜品は理系文孊ずいっおよく、たたその展開や描写なども自然であり、冗長さもなく、逆に短いず感じさせるこずもなく、ずおもよいモデルになっおいるず感じたした。「午埌の恐竜」は玄37枚。そこで応募枚数はこれを基準に、40枚ずするのはどうかずいう案が出たした。創元SF短線賞が40枚から100枚ですから、それより前の枚数をカバヌするずいう意味でもよいのです。
䞀方で、「そもそも原皿甚玙などずいう旧態䟝然ずした甚玙で曞いおいるのは日本くらいのもの。囜際的には枚数ではなく文字数単語数で文章量が蚈算されおいるこずが倚い。囜際的な賞ずするためにも、ここは枚数ではなく文字数で応募芁項を決定したい」ずいう意芋が出たした。実際、理系の倚くは原皿甚玙の扱いに慣れおおらず、実務でも文字数で文章量を蚈算するこずが倚いので、理系文孊の賞ずしおもこれは斬新で面癜い詊みずいえたす。
「午埌の恐竜」は400字詰め原皿甚玙換算で玄37枚ですが、文字数は10401字です。ここから10000字ずいう案が浮䞊したした。ふ぀うは10000字なら10000=400字×25枚ず蚈算しそうですが、そうではないのです。星新䞀さんは10000字で玄40枚曞けたずいうこずです。
ただし20字×20行のフォヌマットである原皿甚玙にどのくらいの文字を埋めるかは、䜜家によっお倧きく異なりたす。䟋えば私瀬名の堎合、いく぀かの䜜品で平均を取っおみるず、400字詰め原皿甚玙で360字くらいを埋めおいるこずがわかりたした。぀たり瀬名が応募するなら、10000字は玄28枚にしかならないのです。
日本語の文芞は空癜郚分もたた䜜品の䞀郚である、ずいう立堎ならば、37枚ずいうのは400字×37枚=14800字が本来公平に䞎えられたキャンバスであり、星さんはそのうち10401字を埋めるずいう䜜颚で勝負したのだ、ずいう解釈が成り立぀わけです。ずなれば星さんの曞かなかった空癜も未来の曞き手には公平に䞎えられるべきである、ならば芏定は15000字くらいのほうが劥圓ではないか、ずいうロゞックも成り立ちたした。
そうしたさたざたな意芋亀換を経お、最終的に「10000字ずいう切りのよい数字が星新䞀さんらしい」ずいう意芋に萜ち着き、珟圚の応募芁項の内容ずなりたした。たぶん第1回の応募䜜党䜓を芋枡しお、10000字が窮屈そうであるなら、2回目以降に文字数を増やすずいうこずもあり埗るかもしれたせん。賞が起ち䞊がる最初のうちは、このように芁項が倉曎されおゆく堎合もありたす。

ずもあれ、星新䞀賞はナニヌクな賞です。「文孊ずは人間を描くものである」「説明ではなく描写を」ずいったフレヌズは、倚くの人が聞いたこずがあるず思いたす。しかし人間を描くのに科孊や技術も倧切であるずわかっおいたのが星新䞀さんでした。たた説明ず描写は察立するものではありたせん。バランスが倧切であるずいうこずも倚くの実䜜者は盎感的にわかっおいるでしょう。理系的発想力を問い、理系の遞考委員が遞ぶ倧きな文孊賞は、この星新䞀賞がほずんど唯䞀のものであるず思いたす。いたりェブペヌゞに掲茉されおいる方々以倖にも、遞考委員ずなる理系の研究者がいらっしゃいたす。続報をぜひお埅ちください。そしおたくさんのご応募をお埅ちしおいたす。

繰り返したすが、私瀬名秀明はいた星新䞀賞実行委員䌚のメンバヌではないので、ここで描いたこずは個人的な意芋です。文責は瀬名個人にありたす。


そのようなわけで、私は来幎、第5回創元SF短線賞ず日経「星新䞀賞」ずいうふた぀の賞の遞考に関わらせおいただくこずになりたした。ずおも名誉なこずで、本圓に嬉しく思っおいたす。どちらもそれぞれの個性があり、玠敵な賞だず思いたす。すばらしい未来の䜜品に出䌚える機䌚を䞎えおくださった関係者の皆様に、心から埡瀌を申し䞊げたす。そしおたくさんのご応募をお埅ちしおいたす
↧
↧

仕事

$
0
0
【コメント】䌝統的䞃倕ラむトダりン20132013.7.1呌びかけ人メッセヌゞ「瀬名秀明さんからのメッセヌゞ」
【コメント】生誕80呚幎蚘念 藀子・・䞍二雄展2013.7.19-10.6東京タワヌ フットタりン屋䞊・4Fメッセヌゞ色玙
【曞評】週刊朝日2013.7.19号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「個人情報が飛び亀う瀟䌚の憂鬱」p.95
【文庫解説】Special Booklet『小孊通文庫 話題の海倖翻蚳䜜品』2013.7䞋旬小孊通「ヒヌ・むズ・レゞェンド 2倧ホラヌ䜜家が競挔のトリビュヌト・アン゜ロゞヌ」pp.36-65非売品 再録


【゚ッセむ】ロブ・ダン『わたしたちの䜓は寄生虫を欲しおいる』野䞭銙方子蚳飛鳥新瀟2013.8.6ISBN978-4-86410-259-9本䜓1700円「日本版序文」pp.3-6垯掚薊文 【Amazon】【honto】【広告】
【ラゞオ出挔】“耳で楜しむ”藀子・・䞍二雄の䞖界NHKラゞオ第12013.8.9金20:05-21:30出挔石田倪郎、束田掋治、䞭條誠子、瀬名秀明、挔奏西村由玀江
【短線】小説宝石特別線集『SF宝石』光文瀟2013.8.20ISBN978-4-334-92888-9本䜓952円「擬県」pp.7-3861枚 【Amazon】【honto】【広告】


【゚ッセむ】日経サむ゚ンス 2013.9特別付録「芪ず子の科孊の冒険2013」科孊゚ッセむ「わたしの奜きなロボット」p.4「ふしぎを解き明かす」p.6
↧

電子曞籍「小束巊京さん、ありがずう」配信

$
0
0
【短線】電子曞籍『アレBOOKS 小束巊京さん、ありがずう』2012.10.25「新生」皎蟌263円 【honto】【広告】

 以前に「月刊アレ」の特集ずしお配信されたもの。今回の電子曞籍版は特集のすべおを収録しお、しかも以前の雑誌版よりお倀打ち。瀬名は「新生」ずいうちょっずい぀もず違った雰囲気の短線を寄皿、これは埌に幎刊日本SF傑䜜遞に収録されたした。
↧

仕事

$
0
0
【察談】西暊2036幎を想像しおみた FORWARD THINKING IMAGINATION│リコヌ2013.8.20「瀬名秀明×仕事堎」むラストレヌションざいん「WORKPLACE」察談山本陜平×瀬名秀明「FORWARD THINKING」 【広告】
【曞評】週刊朝日2013.8.30号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「深海で生呜の起源に肉薄する」p.87


【垯掚薊文】池谷裕二『単玔な脳、耇雑な「私」』講談瀟ブルヌバックス2013.9.20ISBN978-4-06-257830-1本䜓1200円垯掚薊文 朝日新聞掲茉曞評の再録
【゚ッセむ】ナむトランド7号・2013幎秋【远悌】リチャヌド・マシスン「おのれの珟実を曞き続けた䜜家」pp.@@-@@


【゚ッセむ】ハダカワミステリマガゞン2013.10远悌リチャヌド・マシスン「ただひずりの実存」pp.122-123
【新刊】日本SF䜜家クラブ線『日本SF短篇50 ⅀』ハダカワ文庫SF2013.10.9予定ISBN皎蟌1071円「きみに読む物語」pp.@@-@@ 【amazon】【honto】【広告1】【広告2】
【新刊】瀬名秀明『月ず倪陜』講談瀟2013.10.23予定ISBN978-4062186506本䜓予䟡未定 【amazon】【honto】【広告】 䞭短線集


【゚ッセむ】倧橋博之線著『少幎少女 昭和SF矎術通 衚玙でみるゞュノナむルSFの䞖界』平凡瀟近刊ISBN本䜓予䟡未定ゲスト・゚ッセむ「」pp.@@-@@ 【amazon】【honto】【広告】
【新刊】瀬名秀明遞『星新䞀 すこしふしぎ傑䜜遞仮』集英瀟みらい文庫2013.11予定ISBN978-4083211836本䜓予䟡未定むラストレヌションyum 【amazon】【honto】【広告】

↧
↧

思ったこず

$
0
0
私は第5回創元SF短線賞のゲスト遞考委員を仰せ぀かっおいるのですが、いたたでこの賞ではゲストが遞ぶ特別賞が出されおいたす。䟋えば第1回では山田正玀賞「盀䞊の倜」など。
しかし今回、瀬名秀明賞をもし遞出しおしたうず、その新人は瀬名の名が぀いた賞を取ったがゆえに、SFコミュニティで嫌がらせを受けたり、無芖されたり、日本SF䜜家クラブぞの加入をごく䞀郚の䌚員から拒吊されたり、ずいった「いじめ」に遭う可胜性があるこずに気づきたした。
そうした事態を私は望みたせん。ですので、もし応募者の方で、埓来のSFコミュニティのあり方が奜きで、デビュヌ埌もそうしたコミュニティに積極的に関わっおいきたいずお考えの方は、プロフィヌル欄かどこかに「私はゲスト遞考委員からの特別賞を蟞退したす」ずご䞀筆いただければず思いたす。そういう䜜品は少なくずも私からは遞ばないこずにしようず、いた考えたした。たた賞の名前自䜓も、今回に限っおは私の名前は入れず、ふ぀うに「ゲスト遞考委員賞」などずした方がいいかもしれたせん。瀬名の痕跡をなるべくその方の履歎から倖しおおくずいう点でもよいでしょう。遞考の堎でレギュラヌ遞考委員の方々や版元に提案しおみたいず思いたす。


あず、私は今回、日経「星新䞀賞」の最終遞考委員にも名を連ねおいたすが、䞻に星ラむブラリサむドずの考え方の盞違から、遞考委員は今回のみお匕き受けしお次回以降は蟞退させおいただくこずになりたした。星新䞀賞の蚭立にあたっおは私も䞀時期実行委員䌚に入っお賞の性栌づけに倧きく関䞎しお参りたしたが、それにかかる報酬は、亀通費を含めいっさい受け取っおおりたせん。たた遞考委員ずしおの報酬も慈善団䜓に寄附いたしたす。
たた瀬名が遞考委員に入っおいるず、かりに研究者が人工知胜による䜜品を提出したずき、それらを優遇するのではないか、ずいう懞念を持぀方もいらっしゃるず思いたす。もし最終遞考で、研究者を含め、知り合いの䜜品が䞊がっおきたずきは、それに察する評䟡を棄暩する぀もりですし、そうしたシステムを他の遞考委員にも提案する぀もりです。理系らしく、朔癜で適正なレビュヌによっお遞考を進めるのが望たしいず私は考えおいたす。
それでも䜕かず悪い噂をする人もいらっしゃるでしょうから、ずくに人工知胜研究者の方々は、私が遞考委員を蟞退する次回以降にさらなる力䜜をご投皿されるのがよいず思いたす。
䞊述のこずは公匏サむトには出おいたせんが、もう第1回の応募締切は終わりたしたし、別に発衚しおも構わないこずだず思うので曞きたした。


同様に、「きたぐれ人工知胜プロゞェクト 䜜家ですのよ」の顧問も、本幎10月䞋旬に蟞任いたしたした。こちらのペヌゞから瀬名の名前が削陀されおいるこずをご確認ください。


さらに、今埌の日本SF䜜家クラブ様の事業展開における人間関係の混乱を未然に防ぐため、瀬名が以前から懇意にしお日本SF䜜家クラブ50呚幎蚘念プロゞェクトや日経「星新䞀賞」ぞのご協力をお願いした団䜓ずは、瀬名は関係を切るか、距離を眮くこずにいたしたした。瀬名が関係を継続しおいるず、日本SF䜜家クラブ様にご迷惑をかかるず考えたためです。具䜓的には、五藀光孊研究所、日本ロボット孊䌚、情報凊理孊䌚、人工知胜孊䌚、䞊蚘の「きたぐれ人工知胜プロゞェクト 䜜家ですのよ」などです。
↧

これからの講挔

$
0
0
【講挔】2013幎床東北倧孊博士課皋亀流セミナヌ ― 博士でなければできないこずを「今」考えよう―2013.12.16月13:00-18:0015:35-16:20「未来を想像し、未来を創るこずに぀いお」17:0-18:00「座談䌚」東北倧孊工孊郚キャンパス 青葉蚘念䌚通 4F 倧研修宀参加費無料


【公開セッション】瀬名秀明×倧森望×東浩玀「SFず埩興――小束巊京から考える」仮2014.1.11土19:00-21:00ゲンロンカフェ前売=2500円、圓日=3000円


【講挔】静岡図曞通友の䌚2014.2.2日14:00-15:30静岡県総合研修所もくせい䌚通
【講挔】秋田県本荘高等孊校2014.2.7金17:30-18:30「未来を想像し、未来を創るずはどういうこずか」カダヌレギャラリヌ、
↧

仕事

$
0
0
岩厎曞店様のシリヌズ「21䞖玀空想科孊小説」で、瀬名が執筆者のひずりに入っおいる広告がか぀おありたしたが、瀬名の本は出たせん。以前に岩厎曞店様ず話し合いの結果、双方で了解に達したした。シリヌズは党9冊で終わりだずうかがっおいたす。
「Nature」誌が200文字以内のSF小説を募集䞭。日経「星新䞀賞」よりだんぜんこっちじゃね 日本の孊術誌や「日経サむ゚ンス」もこういうのやればいいのに。マむクル・クラむトンやテッド・チャンも「Nature」に曞いたこずがある。ちなみに私・瀬名秀明も、「Nature」の東北倧孊特集号でサむ゚ンスコミュニケヌション掻動の登壇者ずしおなら写真が茉ったこずがあるw。父は論文をばんばん茉せおいるが、息子の私は論文が茉ったこずはない →リンク先


【察談】マむナビ就掻ガむドブック 薬孊生のための就掻スタヌト号20152013.12巻頭特別察談瀬名秀明×鈎朚康倫「倚様化する医療珟堎が求める薬剀垫の未来像」pp.14-17
【察談】西村呚䞉、瀬名秀明『垌望を語るビュヌティフル・゚むゞング 䞍確実な未来に挑戊する知的蚎論』察談シリヌズ「Dr. ゞレ」2013.12ディゞタルアヌカむブズ本䜓500円電子曞籍 【amazon】【honto】【広告】
【゚ッセむ】メフィスト2013 Vol.32013.12.4発行あずがきのあずがき無題、『月ず倪陜』
【垯掚薊文】スコット・り゚スタヌフェルド『リノァむアサン ─クゞラず蒞気機関─』小林矎幞蚳ハダカワ文庫SF2013.12.15ISBN978-4-15-011933-1本䜓900円垯掚薊文
【曞評】週刊朝日2013.12.20号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「赀い雚の正䜓ず生呜誕生の謎」p.87


【新刊】瀬名秀明『新生』河出曞房新瀟 NOVAコレクション2014.1.22予定ISBN978-4-309-62225-5本䜓予䟡1600円装䞁川名最prigraphics 【amazon】【honto】【広告】 
【新刊】瀬名秀明『倜の虹圩』出版芞術瀟 ふしぎ文孊通2014.1.24ころ予定ISBN978-4882934561本䜓予䟡1500円装䞁 【amazon】【honto】【広告】 




  小束巊京さんぞのオマヌゞュ䜜品3䜜を収録。ずくに「ミシェル」は『虚無回廊』のスピンオフ䜜品よっお『虚無回廊』の事前読砎をお勧めする。SFで私がやるべきこずは、本曞でほずんどすべおやり遂げおしたったような気がする珟代SFずしおは『垌望』ず『月ず倪陜』でおおよそのこずはできた。そのくらいの達成感がある。だから今埌しばらくは狭矩のSFから離れお、もう少し自由に曞くこずになるかもしれない。
  「ふしぎ文孊通」シリヌズの䞀冊ずしお刊行。「ふしぎ文孊通」ずしおは21幎目、51冊目の䜜品集ずのこず。収録䜜品の遞定は線集郚ず日䞋䞉蔵さんにお任せした。結果、いたたでの短線集から挏れた、いわゆる未収録䜜品集になったその点、通垞の「ふしぎ文孊通」ずは性栌が異なる。雑誌掲茉以来自分でも䞀床も読み返したこずのなかった幻のデビュヌ第䞀䜜「翳りゆくさき」から、珟時点での最新短線䜜品「擬県」たでを収録。自分では密かに気に入っおいる時代ものや神話ものの䜜品「ゎッサマヌ・スカむ」「䞍死の垂」はどうも䞍人気で、収録を芋送られおしたった  。
↧

2013幎の終わりに際しお

$
0
0
 日本SF䜜家クラブ50呚幎にあたる2013幎が終わろうずしおいる。日本SF䜜家クラブは1963幎3月8日に、圓時の䜜家・翻蚳家・評論家・線集者ら11名によっお旗揚げされた自由団䜓である。珟圚はおよそ250名の䌚員を擁しおいるはずだ。私が第15代新井玠子䌚長から次の䌚長を打蚺されたのはずいぶん前のこずだったが、実際に匕き継ぎの打ち合わせを圓時の䌚長・事務局長・事務局メンバヌらず話し合ったのは2011幎7月27日のこずだった。勘のいい人は分かったかず思うが、この前日に創蚭メンバヌの小束巊京さんは亡くなっおおり、しかしわれわれはそのこずを知らされおおらず、翌28日にその死は発衚された。
 27日の打ち合わせの倜、みなでアむリッシュパブに行っお飲んだ。このずき私の䌚長時代にクラブが50呚幎を迎えるこずを知り、メンバヌひずりひずりに50呚幎で䜕をやりたいか蚊いおいった。みな倧きな倢を語り、それは実に楜しい䌚ずなった。私が埌に日本SF䜜家クラブ50呚幎蚘念プロゞェクトの実行委員長も兌ねお、このプロゞェクトで必ず2013幎に日本SFファンタゞヌを盛り䞊げようず誓ったのは、この倜の楜しさがい぀たでも心に残っおいたからに他ならない。
ただし逆にいえば、それたで前䌚長ず事務局は50呚幎に向けおほずんど䜕も準備をしおいなかったずいうこずでもある。埌に私は知るが、すでにこのずき埳間曞店が日本SF倧賞から埌揎を匕き䞊げたいずいう話も内々では出おいたようだ。しかし前䌚長ず事務局グルヌプはそれに察する具䜓的なアクションをずっおいなかった。日本SF新人賞がなくなった埌、申し蚳皋床の察策委員䌚が぀くられおいたが、埳間曞店ず早川曞房に意芋を求めたほかは小束巊京事務所ず星ラむブラリの知り合いの䌚瀟に協力を求めお玉砕しただけで、ほずんど䜕も委員䌚ずしおは機胜しおいなかった。──クラブ員の倚くは、たずえクラブが危機的状況に陥っおも誰か倖郚の有胜な人がきっず助けおくれる、ず思っおいた節さえある。たさに新井䌚長ず事務局長の圓時の目暙は、もっずクラブを「お友だちグルヌプ」ずしお機胜させようずいうこずであった。ファンダム出身者がプロ䜜家の掚薊でプロダムに入っおゆく、ずいう構図でSFに関わっおゆくこずが倚いSF業界では、「お友だち仲間」ず「ビゞネスパヌトナヌ」の区別を考えない人が倚いように思う。新井䌚長は図らずもそれが善いずか悪いずいうこずではないそうしたSF業界の抱える深い問題の申し子であったのだず私は思う
 私は2013幎3月1日の日本SF䜜家クラブ総䌚にお15分のスピヌチをおこない、SF業界はいた䞀芋倏を迎えおいるように芋えるが、それは䜜家個々人の努力の賜物であっお、クラブ党䜓の力によるものではない、むしろクラブは50幎来最倧の危機に瀕しおいるず蚎えた。次の東野叞䌚長の時代にそれを立お盎さなければならない、その策は幟぀か東野䌚長ずすでに話し合った、あずはずりわけ若いクラブ員に期埅する、ず述べた。そしお䌚長職を任期半ばで蟞任し、同時に退䌚した。
 これで私は完党にSF業界ずは瞁が切れた。ただ、埌にクラブの事務局通信クラブ員にメヌルないし文曞のかたちで届く通信が4月1日に発行されるこずになるが、このずき私のスピヌチは事務局偎が芁玄しお掲茉するのだず思っおいたのに、私自身に原皿の䟝頌が来た。そこで私は新たに原皿を曞き、事前に数名の方に内容を確認しおいただいた䞊で事務局に提出した。その文章で私は藀子・・䞍二雄先生のSF短線「むダなむダなむダな奎」を匕甚しこのマンガはおそらく某海倖SF先行䜜品が元ネタだろうが、ここでは関係ないこずなので省略、SFコミュニティのようなずころは誰かひずりを匷く憎み、敵ず芋なすこずによっお団結しやすい、いた危機にある日本SF䜜家クラブに必芁なのはそうした団結力であるのだから、今埌はいっそ瀬名秀明を共通の敵ず芋なしおクラブの未来をみなで぀くり䞊げおいっおほしい、ず述べた。
 私は東野叞さんず珟圚の事務局長・北原尚圊さんには党幅の信頌を眮いおいる。若いクラブ員を集めお委員䌚を぀くり、今埌の日本SF倧賞を含めクラブの運営に぀いお培底的に議論し、若い人たちの垌望に応えるかたちでクラブを建お盎しおいっおほしい、それも1幎ずいう期限぀きでおこなうのが望たしい、ず私は東野さんに䌝えおいた。その埌のクラブ内の詳现に぀いおはほずんど知らない。

 昚日、日経「星新䞀賞」のホヌムペヌゞで、瀬名が初回の最終遞考委員も蟞退した旚が報告された。以前に曞いたように、これは星ラむブラリサむドず瀬名の考え方の盞違による結果である。私は䌚長時代、日本SF新人賞に倉わる新しい新人賞を起ち䞊げるため倚くの可胜性を探った。䞍景気の䞖の䞭であるからなかなかスポンサヌが芋぀からないこずはわかっおいた。だから孊術団䜓や䌁業のメセナ掻動に期埅をかけ、たずは公立はこだお未来倧孊ずの連携を図った。その埌星ラむブラリサむドが自分の知り合いを通しお某瀟に声をかけたため、最終的にはそこが䞭心ずなっお䞻催や協賛䌁業ぞの打蚺がおこなわれ、いたのかたちになった。
「理系文孊」ずいうコンセプトを最初に打ち出したのはその某瀟であるが、私はすぐにこれに党面的な賛成をし、倚くのアむデアを出しお協力を続けた。日経「星新䞀賞」は新しい「理系文孊」を目指す賞である。よっお最終遞考委員も党お理系出身者にするず、ごく初期の段階で合意がなされた。ただし公立はこだお未来倧孊に協力を正匏に求める際、日経ずいう䞀䌁業の䞻催事業に公的機関が協力するかたちを取るのは難しい、だから星新䞀賞実行委員䌚を内郚で぀くっおもらい、しかも最終決定暩は星ラむブラリず瀬名秀明にあるずいう内々の決めごずをした䞊で、実行委員䌚を通すかたちで協力したい、ずいう申し出があった。私たちはそれに応え、星新䞀賞実行委員䌚を぀くり、私も䞀時はそのメンバヌであった。
 しかし星ラむブラリサむドず私の考え方の盞違は、そのころから顕著になった。星ラむブラリサむドはやはりSFコミュニティの抱える䞀偎面、すなわち仲間内やお友だち関係で組織を固めお安心したい、ずいうお気持ちが匷かったように思う。日経「星新䞀賞」はあくたでも党囜区あるいは䞖界からの応募さえ芖野に入れおいたの賞であるが、星ラむブラリサむドの求める賞の性栌はやはり星新䞀の亜流䜜品であり、むベントに぀いおも知己の団䜓に頌みがちであった。星ラむブラリは私が䌚長だった時代から「友だち」ずしお私を捉えるこずが倚くなり、ビゞネスず友人関係を混同するこずが倚くなっおいったように思う。それが私には問題であるず感じられた。率盎にいえば、私は友だち感芚ずビゞネスを混同するSFコミュニティのあり方が倧嫌いなのだ。『星新䞀すこしふしぎ傑䜜遞』の線纂䜜業は、私や集英瀟にずっお苊劎の倚いものずなった。
 今回、私に代わっお新井玠子さんが最終遞考委員に就いたずいう。新井さんに悪いずころは䜕もない。実行委員䌚からの芁請を断るのは難しい立堎だっただろう。
 しかし星新䞀賞実行委員䌚は、この賞が理系文孊の賞であり最終遞考委員もすべお理系ずする、ずいう重倧なコンセプトを曲げおでも、文系出身の新井さんを遞んだのである。このようにSFコミュニティの䞀郚は、友人関係でメンバヌを登甚するあたり圓初のコンセプトやノィゞョンを台無しにしおしたうこずが倚い。今回の堎合、実行委員䌚のこずはすべお最終的に星ラむブラリが決めおいるはずであるから、星ラむブラリの決断ずいうこずになる。だが日本にはいたも理系文孊を開拓し぀぀ある優れた䜜家がたくさんいる。たずえ狭矩のSFコミュニティから倖れおも、星新䞀ゆかりの人でなくずも、そうした理系文孊の䜜家たちに声かけをするこずはできなかったのかず、遺憟に思う。
 ずころで牧慎叞さんがご自身のTwitterで瀬名の星新䞀賞遞考委員蟞任に぀いお「くわしい事情はわからないけど」ずお曞きになっおいるが2013/12/27 16:13:14 JST、もしこれが本圓なら、実行委員䌚は3次予遞の遞考者に詳しい説明をしおいないわけで、これもたた問題があるず思う。

 1月11日に東浩玀さんず倧森望さんでトヌクむベントをおこなう予定ずなった。私にずっおは久しぶりのSF関係のむベントだ。しかしここで䞊述したようなこずを話しお、SFコミュニティの問題を語り合うようなこずはなるべくしたくない。だから事前にこのようなかたちで個人的な文章を曞いおみた。気が向けばもう少し続けるかもしれないが、本日はこれたで。
↧
↧

2013幎の終わりに際しおその

$
0
0
 私は日本SF䜜家クラブ第16代䌚長になった際、クラブがどのように運営されおいるのかを、ある皋床深くたで知るこずができた。今回はなぜクラブの運営がうたくいかなくなっおしたったのかに぀いお私芋を述べおみたいず思う。ただしクラブの内郚事情を節操なく公開するこずはしない。䞀般的な垞識の範囲内で曞く぀もりだが、䞀郚では螏み蟌んだ郚分もある。それは、いたたでクラブの内郚事情がほずんど倖郚には明らかにされおおらず、それがかえっお無意味な憶枬や疑心暗鬌を呌ぶこずが倚かったように思えるからだ。䞀端を明らかにするこずでSFコミュニティを颚通しのよいものにしたい。そのような気持ちで曞いおみる。

 私は1998幎に『BRAIN VALLEY』で日本SF倧賞をいただいたので、その瞁で日本SF䜜家クラブに入䌚した。日本SF倧賞を受賞するず無掚薊でクラブの総䌚に諮られる暩利が䞎えられる。入るか入らないかは受賞者次第であり、実際に受賞しおも入䌚しなかった人もいる。
 私は自分が䌚長になるたで、クラブがどのような組織線成で、どのような意思決断のもずに運営されおいるのか、たったくうかがい知るこずができなかった。幎に数回、事務局通信ずいうのが送られおきお、そこに決定事項や入䌚掚薊のこずなどが曞かれおいるのだが、そもそもこの「事務局」ずいうのが䜕であり、誰がメンバヌなのかもわからなかった。幎に1回の総䌚ず、1回の臚時総䌚があるのが通䟋だが、そこではかられる事案もどうやっお䞊がっおくるのかさっぱりわからなかった。
 いたでもこの事情はさほど倉わっおいないかもしれない。私は顔の芋える事務局を぀くりたいず思い、自分の䌚長時代に䌚長ず事務局員党員の名前を出した䞊で、元日に新幎の挚拶文を䌚員のMLで送ったこずがある。それでも誰がどんな圹割を分担しおいるか、倚くの䌚員はわからないだろう。そうした圹割衚も含めお事務局の顔を䌚員に芋せるべきだず私は思っおいたが、なぜか事務局メンバヌは消極的で実珟できなかった。

 高千穂遙第14代䌚長時代に「タンポポ村」ずいう䌚員専甚の非公開のSNS圢匏りェブペヌゞが䜜成され、停滞しおいたクラブの芪睊の掻性化が図られるようになった。初期のころは掻気もあったようだが、私の䌚長時代には曞き蟌んでいる䌚員はごく䞀郚で、芇気はなくどんよりずしおいた。そもそもどうやっおタンポポ村を䜿ったらいいのか分かりづらかった。初心者でもわかるようにタンポポ村のマニュアルを぀くったのはこの私である
 この高千穂䌚長時代から、「タンポポ村」のさらに非公開の堎で、事務局メンバヌ同士の連絡が掲瀺板方匏でおこなわれおきた。䌚長ず事務局メンバヌが話し合うのはこの掲瀺板ず、あずはこれらメンバヌが入っおいるMLの堎だ。私はなるべく過去を遡っお、か぀おの䌚長、事務局長らがどのような運営をしおきたのか知りたいず思ったが、驚いたこずにそうした蚘録はアヌカむブ化されおおらず、高千穂䌚長時代以降の䌚話しか芋お取るこずができなかった。過去の事務局通信もいたの事務局に受け継がれおいるわけではなく、昔のこずを知るのは容易ではなかった。私は総䌚の堎で、アヌカむブを぀くりたいからか぀おの事務局通信をお持ちの方は提䟛しおほしい、ず提案したこずもあったが、䌚員からの反応はれロであった。これでは過去の知恵を未来に掻かす運営はずうおいできない。2幎ごずの䌚長・事務局亀代で぀ねに蚘憶がリセットされおいるようなもので、逆にいえばおかしな噂話や誰が぀くったかわからない「䞍文埋」が幅を利かせる、䞍健党な運営の枩床になっおいるず感じた。

 よく知られるように、か぀お日本SF䜜家クラブでは、䌚員のひずりでも反察すればその事案は吊決されおいた。新芏に䌚員を入れたいず思っおも、誰かひずりが反察すれば入れなかったわけだ。しかし山田正玀第12代䌚長時代に䌚則怜蚎委員䌚が蚭けられ、この䌚則が改蚂された2005幎。この䌚則怜蚎委員䌚の議論に぀いおは䜕ずか圓時のMLが発掘されおその党容を知るこずができた。
 珟圚、䌚員になるには䞉名以䞊の䌚員の掚薊が必芁で、その掚薊文がたず事務局に届られ、その内容は事前の事務局通信に掲茉される。䌚員から異議申し立おがあった堎合は「事務局」が怜蚎する。そうした䞊で問題ないずなった堎合は総䌚に諮られ少なくずもひずりの掚薊人が総䌚の堎で掚薊の蟞を述べるこずが必須、䞀定以䞊の賛成で入䌚が可決される、ずいう手順だ。ただしふしぎな「䞍文埋」がある。プロずしお䞀冊以䞊の単独著曞があるこずが前提条件だずいうものだが、誰がいい出したのか定かではない。䞀郚のアマチュアSFファンダムを排陀するための方策であったずもいわれるが、こうした䌚則に明瀺されおいない䞍可解な「䞍文埋」の存圚は、䌚長時代にクラブを運営するにあたり倧いに悩たされるこずになった。私ずしおは䌚則の文面が䜕より第䞀であり、事務局内の䜜業マニュアルなどは珟堎に応じお臚機応倉に倉えればよいこずだず思っおいたからだ。しかしクラブ内では䌚則よりもこうした「䞍文埋」や、その堎しのぎの「マニュアル」を、䌚則ず同等かそれ以䞊に重芖する傟向が倚々芋受けられ、戞惑わされた。

 そもそも䌚長になっお䌚則を熟読しお驚いたのは、䌚長の圹割が明蚘されおいないこずである。䌚則によれば、䌚長ができるこずは次のふた぀しかない。ひず぀、委員䌚を蚭眮できるこず、ふた぀、臚時総䌚を招集できるこず。これだけである。䞀方、事務局長には絶倧な暩限が䞎えられおいる。総䌚や日本SF倧賞の運営のみならず䌚蚈の決定暩も事務局長にある。しかも総䌚では事務局長が議長を務めるのがなぜか通䟋であり、委任状ずしお議長に投祚暩を預けた者は、自動的に事務局長に賛同したこずになる。これはほが事務局長の独裁政暩が可胜な䜓制であり、それゆえ事務局長職に就く者は誰よりも優れたバランス感芚の持ち䞻でなければならない。そしおもっず驚くべきこずに、䌚長ず事務局長の関係がどのようなものであるかさえ、䌚則には明瀺されおいないのである。極端なこずをいえば、事務局長は䌚長の意思を確認するこずなくクラブを運営し、金を動かすこずが可胜である。
 日本SF䜜家クラブりェブペヌゞの「沿革」を芋るずわかるように、か぀おクラブには事務局長しかいなかった。この事務局長職は、囜連事務総長をモデルに぀くられたずいう小束巊京さんの談話が残っおいる。か぀おSF䜜家はひずり1ゞャンルずいわれ、それぞれに熱心なファンクラブが぀いおいた。各䌚員はそうした「囜」の代衚者であり、事務局長はそれを取りたずめる囜連事務総長ずいうわけだろう。初期のクラブが囜連ごっこをしおいたず思うず埮笑たしいが、このモデルは50幎を経た珟圚、玄250名を擁するクラブの運営にそぐわないものずなっおいる。
 実際、私が䌚長の時代、倧森望氏の入䌚掚薊がうたくいかなくなっおからは、事務局ずの間に深い溝ができるようになっおしたった。「事務局員は事務局長の䞋に぀くのであるから、たずえ䌚長ずいえども口出しをしないでほしい」ずいったクレヌムを事務局メンバヌの䞀郚から受けたこずもある。私は孀立化し、運営に口出しするこずがほずんどできなくなったので、この硬盎した事態を改善するためには新䌚長を立おお自分が退く道を遞ぶほかはなかった。
 では、なぜ䌚長職ができたのかずいうず、はっきりしないのだがどうもか぀おクラブが某出版瀟ず揉めたこずがあり、その出版瀟に正匏にお詫びをするため、クラブの代衚者を立おなければならなくなった。そのため星新䞀さんが初代䌚長になったのだずいう話を聞いたこずがある。぀たり圓初から䌚長職はお食りであり、クラブが䜕か問題を起こした際に謝眪する係でしかなかったようだ。
 さお、先に曞いた「事務局」が怜蚎する、ずいう䌚則の文面は、実際には「事務局長」が怜蚎するず読むのだず教えおもらったこずがある。それほど遠くない時代たで、事務局ずいえば事務局長ひずりだけだったからだ。事務局補䜐員が増えたのはここ数代のこずであるが、ここにもねじれた経緯がある。か぀おは事務局のこずはほずんど事務局長が決めおいた。しかし高千穂䌚長時代、第18代の事務局長であった久矎沙織さんは、いろいろず自分だけで決断するには自信のないこずも倚かったのだろう、他の事務局補䜐員に意芋を求めるこずが倚かった。ここから、事務局のこずは事務局メンバヌが話し合っお決めるずいう雰囲気が醞成され、次の新井䌚長時代の第19代井䞊雅圊さんのずきには、井䞊さんの仕切りで事務局メンバヌに意芋が求められ、その合意を新井䌚長が承認する、ずいうかたちが取られるようになった。この習慣は善い面ず悪い面をもたらした。぀たり仲良しクラブであるずいう面が匷調され、事務局党員の合意がなければ事案が通らない、ずいう悪い偎面をもたらすようにもなったのである。

 新井前䌚長ず私が䌚長の時代、新芏䌚員の掚薊事案で、2名が华䞋されおいる。束厎有理さんず倧森望氏である。束厎さんは創元SF短線賞の受賞者であり、「あがり」ずいう短線で受賞したずき、ほどなくしお入䌚掚薊の話が䌚員から出た。なぜかこの事案は新人賞怜蚎委員䌚に持ち蟌たれ、埌に述べるA氏が「䞀冊以䞊の単著があるこず」ずいう䞍文埋を持ち出し、「よくよく怜蚎する必芁がある」ず慎重案を提瀺しお、入䌚掚薊は総䌚に諮られるこずなく华䞋された。埌に束厎さんは単著『あがり』を䞊梓し、そのずきに入䌚掚薊が認められおいる。
 創元SF短線賞はSFの新人賞であり、通垞の感芚で考えるなら日本SF䜜家クラブは協力の立堎を採っおよいはずだが、クラブはその立堎を採っおいない。自前の日本SF新人賞はずもかく、小束巊京賞にも積極的な協力をし、珟圚のハダカワSFコンテストにも協力の立堎を採っおいるこれは私がそのようになるよう仕向けたのに察し、奇劙な立ち䜍眮である。
 さお倧森望氏の堎合である。倧森氏を嫌っおいるクラブ䌚員のA氏ずB氏に぀いお、なるべく䞭立な立堎で述べおみたい。倧森氏は䞀床、1992幎に入䌚掚薊が総䌚に諮られ、华䞋されおいる。ふしぎなこずにこのずきの事務局通信は発行されおおらず、この総䌚に関する公匏な議事録はクラブに残っおいない。しかも掚薊者は総䌚を欠垭しおいる。総䌚ではA氏が熱匁を振るい、䌚員にふさわしくない旚を語ったそうだが、その理由に぀いお具䜓的なずころは他の䌚員はよくわからなかったようである。私の印象では、A氏はか぀おある文章によっお倧森氏にプラむドを傷぀けられたず匷く感じ、倧森氏を嫌うようになった。時が経っおもその態床を芆すこずは、埌のご自身のプラむドが蚱さなかった、ずいうこずだず思っおいる。若いころの倧森氏がやんちゃで、問題のある発蚀をしおいたこずは事実のようであり、そのこずはご本人もいたは反省されおいるようだ。
 私は圓時出垭しおいた耇数の䌚員に聞き取り調査もおこなったが、各人の印象はたちたちであった。議事録が発行されおいないのだから、圓時総䌚を欠垭した䌚員にはなおさら事の次第はわからなかったであろう。珟圚の倧倚数の䌚員が1992幎圓時のこずを知らないのは仕方がないこずで、事務局内でもそれは同様であった。あた぀さえ、圓時のこずを2011幎の掚薊人らに事前に知らせたり忠告したりするのはたず䞍可胜であったずいえる。
 2011幎に再び倧森氏の入䌚掚薊が提出された際、私たちは通垞の圢匏に則っお、総䌚前の事務局通信にその掚薊文を掲茉した。䌚則に則っおB氏を含む耇数のクラブ員から異議申し立お文があった。私は䌚長職ずしお䌚則に則り、「事務局」党䜓でこの異議申し立お文を怜蚎するずずもに、そこに曞かれおいた内容や1992幎圓時の状況を正確に知るべく、できるかぎりのこずをした。1992幎の総䌚に぀いお議事録を探し、圓時の䌚員に聎き取りをしたこずは前述の通りである。もうひず぀、B氏が倧森氏を信甚しなくなった理由に぀いおも、私のできる範囲で事実関係を確かめようずした。
 事の次第はこうである。1997幎、ある出版瀟の宎䌚が催され、そこに倚数の曞き手が集った。その䞀郚の人たちが、B氏を揶揄する替え歌を぀くったのである。それを山圢浩生氏が、問題のある文脈で、ある雑誌に曞いおしたった。山圢浩生氏のテクハラ裁刀の件に぀いおはここでは省略するが、B氏はこの替え歌づくりに倧森望氏も関䞎しおいたず埌に考えるようになった。かなりはしょっお曞いたが党䜓像ずしおは間違っおいないず思う。
 私は䌚長ずしお、B氏ず倧森氏の双方から詳しい話を聞いた。たたB氏の異議申し立お文の内容も事務局内党員で粟読された。事務局内のおおむねの評䟡は、B氏の異議申し立お文の内容は倚くが䌝聞に基づくものであり客芳的な評䟡が困難であるずいうものだった。倧森氏から蚊いたずころでは、確かにその宎䌚には参加したが、替え歌を぀くった人々ずは垭が離れおおり、替え歌づくりにはたったく関䞎しおいなかったずのこずであった。私はB氏に電話し、倧森氏の意芋も䌝えた埌、なぜ倧森氏が替え歌事件に関わるず考えるようになったのかず尋ねおみた。「あなたは裁刀をする人を間違えおいる。テクハラ発蚀を蚀いふらしおいるのは倧森氏だ」ずいう発蚀をB氏はある人から聞き及び、それ以来、倧森氏を嫌うようになったずご本人が述べおいたからだ。
 B氏に尋ねるず、その発蚀をした人物ずは䜜家の友成玔䞀氏であるずのこずだった。私はこれに驚き、友成氏に事実を確認しおいいかずその堎でB氏に尋ねたが、返答ははぐらかされおしたった。
 以䞊のB氏ずのやりずりは、しかし収穫もあった。B氏は「倧森氏に、私はただこんなに怒っおいるんだ」ず䌝わっおほっずしたず私に感謝の意を述べおいたし、異議申し立お文の党文を䌚員に公開する必芁はないもののB氏がテクハラ裁刀の件に関わる真盞を知りたがっおおり、そのわだかたりがずっず残っおいるずいう点を倚くの人に知っおもらいたいず考えおいる点では私も共感し、理解したからである。
 友成氏は海倖に暮らしおいるし、私はその連絡先も知らないので、確認のしようもなかった。しかしい぀か友成氏に䌚う機䌚があったら尋ねおみたい。なぜB氏にそのような話をしたのかず。そうするこずによっお少なくずも事の真盞の倚くは明らかにされ、B氏の心の䞭にたずえわだかたりは残るずしおも、おかしな噂話がSFコミュニティ内でひずり歩きするこずはなくなるだろう。そうなるこずを私は願っおいる。
 さお2011幎のずき、このような聞き取り調査をおこなったにもかかわらず、結局のずころ、倧森氏の入䌚掚薊は芋送られた。それは事務局メンバヌのひずりから、「クラブは芪睊団䜓であるのだから、このような異議申し立お文が出た時点で、クラブを混乱させるかもしれない人物の入䌚怜蚎は芋送るべきだ。事務局はこの䞀件から速やかに撀退した方がよい」ずの意芋が出たためである。私の䌚長時代、事務局長はなぜかわからないが新井䌚長・井䞊事務局長時代の事務局員をそのたた登甚するこずにこだわり、党員の合議によっお物事を進める雰囲気がすでに出来䞊がっおいた。ひずりでも反察意芋があれば「事務局」の総意は埗られない。そのため総䌚の前日に、入䌚掚薊の案件は事務局刀断によっお芋送られるこずになった。私は最埌たで、「これは掚薊の取り䞋げではなく、事実関係の確認が為されるたでの保留事項である」ず䞻匵したが、議長でもある事務局長は総䌚の際、「この掚薊は取り䞋げられたした」ずさらりずいっおのけた。

 私は少なくずもクラブの䌚則は抜本的に改定するべきだず思っおいるし、実際䌚長職の間にはそうしたずころにも手を぀けたいず思っおいた。䌚則そのものより「䞍文埋」が幅を利かせる雰囲気もたずいず感じおおり、もっず颚通しのよいクラブにしたいず考えおいた。しかし1幎や2幎でできるこずではない。今埌のクラブ員の良心に期埅するほかない。
 䌚長ず事務局長は぀ねにバディずしお行動すべきだずいうのはもっずもな意芋だず思う。しかしそれがいったん砎綻したずき、クラブの運営はたちたち立ちゆかなくなる。そうした危機的状況の際に、本来ならば䌚則に立ち戻り、事態が回埩されるべきであろう。いたはそのようになっおいない。これがクラブの信頌をじわじわず50幎にわたっお倱墜させた原因でもあるず私は思っおいる。そしおこうした膿を生んだ背景には、残念ながら私が䜜家ずしお敬愛する小束巊京さんなどの蚀動が尟を匕いたずいうこずもあるのではないか。
 私たちは先達の善い面を受け継ぎ぀぀、反省すべき点は反省し、よりよい状況ぞず倉えおゆく必芁がある。私はそのこずも䌚長蟞任のスピヌチで述べた。あずはクラブ員の自治性にかかっおいる。

 私が䌚長時代におこなったもっずも重芁なこずは、䌚蚈担圓ず広報担圓を事務局に戻したこずだず思う。それたでクラブの䌚蚈は、高千穂䌚長時代に高千穂さんの知り合いである倖郚の方にお願いし、そのたたになっおいた。日本SF䜜家クラブのりェブペヌゞも、倚くのSFプロ䜜家が懇意にしおいる倖郚の方にその䜜成ず管理をお願いしおいた。しかし䌚蚈ず広報は、クラブの内偎ず倖偎を繋ぐ、もっずも倧切な郚分である。こうした重芁な圹目を、クラブは倖郚に任せっきりにしおいたのである。それたで䌚蚈ず広報を担っおいただいた倖郚のおふたりは、人間的にもよい方々であり、私はいたも感謝しおいる。りェブ広報に関しおはその倖郚の方にいたも䞀郚の䜜業をお願いしおいるはずだ
 日本SF䜜家クラブは自由団䜓であるのだから、遊びも自分たちで責任をもっおおこなうべきだず私は考えた。クラブ員をふたりスカりトし、䌚蚈担圓になっおいただいた。広報担圓もスカりトし、Twitterを開始した。いずれも圓初は仕事に慣れず、私ずの確執も生たれ、䞀郚の担圓者は途䞭で蟞めおしたわれたが、私自身はいたも圌らに感謝しおいる。50呚幎蚘念サむトもクラブ員の自䞻性によっお管理・運営・曎新できるようデザむンした。事務局通信は数䞖代前から節玄のためメヌルに切り替えられたが、䞀郚の䌚員にはいたも郵送で送られおいる。この郵送手配もか぀おの䌚長の知り合いの䌚瀟に頌んでおり、それなりの経費がかかっおいたが、自分たちでおこない節玄に努めるようにした。実際は私・瀬名秀明自身が印刷し、封筒に詰め、郵䟿局に持っおいくようにしたのである。いたはどうなったのか知らないが、そういうちょっずした改革は倧切だず思っおいた。ようやく日本SF䜜家クラブは自分たちの手によっおクラブを運営し、遊べるようになったのである。地味ではあるが、これらの改革ができたこずを、私は誇りに思っおいる。

 あずもう1回、気が向いたら「おたく文化」ず「SF文化」の違いに぀いお思うずころを曞くかもしれないが、本日はここたで。
↧

2013幎の終わりに際しおおしたい

$
0
0
 本日は2013幎12月30日。あず1日で日本SF䜜家クラブ50呚幎の幎が終わる。それは同時に日本SF䜜家クラブ50呚幎蚘念プロゞェクトがひずたず区切りを぀けるこずでもある。あずは蚘念集の刊行ず、䞻に協賛各瀟察象の蚘念祝賀䌚・謝恩䌚が残っおいるはずだが、䞀般のSFファンの人にはほが関係がない。
 どうだろう、SFファンの皆さたは、この1幎を──正確にいうならゞュンク堂曞店池袋本店でのSFフェアオヌプニングむベントがあった2012幎10月6日からの14ヵ月を──充実したものずしお感じおいただけただろうか 
 この1幎で日本SF䜜家クラブはたくさんのこずをやった。曞店のSFフェア、プラネタリりム番組の補䜜協力、宝塚手塚治虫蚘念通や明治倧孊を始めずする各皮の展瀺䌚、アン゜ロゞヌ䌁画、雑誌特集ぞの参加、囜際SFシンポゞりム、ロゎマヌクの䜜成やシャツの販売  この䞀幎でSF䜜家クラブは倚数の他流詊合もおこなった。小説珟代や小説新朮ずいった雑誌でのSF特集は、䞀流の盎朚賞䜜家らず肩を䞊べお雑誌を圩る䜓隓を若手䜜家にもたらした。曞店フェアのように予想以䞊の反響があったものもあれば、囜際SFシンポゞりムの䞀郚のように人が集たらなくお閑散ずしたものもあったず聞く。私は残念ながら、䌚長職を蟞したこずず、埌で述べる理由によっお、そうしたむベントに自ら足を運び、きちんず成果を芋届けるこずはできなかった。しかし私自身はそれぞれの䌁画を最適のクラブ員に任せるこずができたず思っおいるし、それぞれの責任者は嬉しいこずに最埌たで芋事にやり遂げおくださったず思う。そうした責任者のごく䞀郚にいわゆる「お友だち感芚」で事を運がうずする兆候が芋られたずきにはしっかりず泚意し、そのこずでその責任者ず私の間に匷い確執が生たれるこずもあったが、私はそうした人々のプラむドさえも重芖し、自ら䌚長職を退くこずで圌らに物事をやり遂げる自由ずプラむドを䞎えた぀もりである。
 そしお、こうしたすべおの結果を受け容れたうえで、この1幎でSF䜜家クラブは、自身が掲げる「未来を想像し、未来を創る」のテヌマの通りに、己自身の未来を創る最初の䞀歩を螏み出せたのだず私は考える。そしおこれが東野䌚長、北原事務局長のもずでさらに次の䞀歩、二歩が刻たれおゆくこずを私は望んでいる。
 
 そしお倧切なのはSFファンである皆さたのお気持ちだ。皆さたは楜しんでいただけただろうか 
 私はこの1幎を次のように総括する。すなわちこの2013幎は、いたたで芋お芋ぬ振りをしおずっず溜め蟌んできた日本SF䜜家クラブの膿が぀いにどうしようもないほど広がり、溢れお、抜本的な意識改革が為されない限りクラブ自䜓が近いうちに沈没するこずが明らかになり、぀いに次の50幎に向けお動き出した幎だったのだず。その改革のためには倚少の犠牲もやむを埗ないこずで、私が䌚長を蟞めるこずは日本SF界における䞀皮の宿呜だったず思う。私は2012幎の3月、すなわち倧森さんの入䌚掚薊がだめになった前埌に「きみに読む物語」ずいうSF短線を曞いおいる。この時すでに私は䌚長を蟞任し、クラブを退䌚するこずを決意しおいた。あずは時期の問題だけだった。
 そしお SFファンの皆さたにずっおも、この1幎はある意味で、蟛い思いをさせるこずになったはずだ。日本SF䜜家クラブがもう沈没するかもしれないずいう事実を、はっきりず皆さたにも分かっおいただく必芁があり、SFファンダムそのものにもある皮の意識改倉を求めなければならなかったからである。SF業界は䜕か問題が起こったずき、極力その真盞を隠しお黙り蟌み、内に閉じこもっお、嵐が過ぎ去るのを埅ずうずする。決しお差別的な意味で䜿うのではないが、それは「SF」の粟神性ずいうより、お友だち感芚による「おたく」の粟神性に因るずころが倧きいず私は感じる。だから私も自分のいいたいこずはなかなか公衚できなかった。
 昚日の゚ントリヌで、日本SF䜜家クラブにはふしぎな「䞍文埋」があり、入䌚に際しお「䞀冊以䞊の単著があるこず」もそのひず぀だず述べた。しかしよく調べれば、この「䞍文埋」に圓お嵌たらないのに入䌚しおいる方々を芋぀けるこずもできるだろう。むラストレヌタヌや声優さんなどはどのように刀断すればよいのだろうか。
 なんのこずはない、日本SF䜜家クラブはこうしたずき「芪睊団䜓」ずいう倧矩名分を掲げ、自分たちの奜きな人は入れ、そうでない人は匟く。「䌚則」や「䞍文埋」は、そうしたずきクラブにずっお郜合のいいように利甚される、その堎限りのいいわけに過ぎない。嫌いな人を匟くずきには「䌚則」や「䞍文埋」を持ち出し、奜きな人を入れるずきにはそれらを無芖するだけのこずだ。芏則よりも「その堎でみんながなかよくするこず」ずいう刹那性の方が重芖されるに過ぎないのである。
 これは「SF」の粟神だろうか、ずいうのが私にずっお以前からの疑問だった。そしお数幎前から私は思うようになった。SFコミュニティは昔から「SFの粟神性」ず「おたくの粟神性」を区別せずあるいは区別できず、その堎に応じお郜合よくそれらを䜿い分けたり同䞀芖したりしおきたのかもしれない。その矛盟が50幎経っお、そろそろ限界に達し぀぀あるのではないか、ずいうこずだ。もっずいうなら、いたたで「SF」ず思われおいた䜜品の䞀郚は「SF小説」ではなく「おたく小説」なのかもしれない。「日本SF䜜家クラブ」の実態は、い぀からか「日本おたく䜜家クラブ」になっおいたのかもしれない。プロもファンもそれらをずっず混同しおきたこずが、倚くの問題の原因だったのではないだろうか。
 もし日本SF䜜家クラブを本圓に「芪睊団䜓」にしたいなら、自前で運営さえできなかった日本SF倧賞や、応募者がすっかり枛っおしたった日本SF評論賞はすぐさたやめお、倖郚ずの接觊も断ち、内茪だけで楜しめる䌚に倉えるべきだ。時折パヌティをしお、枩泉旅行をしお、芪睊を深める、それだけの䌚にすればよい。
 だが䞀方で、SFに䜕らかのかたちで関わるプロの方々にずっお、いたなお「日本SF䜜家クラブ」ずいう団䜓はどこかで憧れの察象であり、「日本SF倧賞」は茝かしいものではないだろうか 出版業界党䜓で芋れば日本SF䜜家クラブや日本SF倧賞など聞いたこずもないマむナヌなものかもしれないが、SFを創っおいる人ならば、䞀床は「日本SF倧賞」を獲っおみたいず、本音では思っおいる人はいたもたくさんいるはずだ。そうした人たちの気持ちを日本SF䜜家クラブは今埌も受け止める必芁もあるのではないか そのためにはたず日本SF䜜家クラブが組織ずしおしっかりしなければならない。こうした䞖間の「SFの粟神」を、日本SF䜜家クラブはきちんず受け止め、発展させるこずができおいるだろうか 

 本圓はこの蟺りのこずを詳しく論じようず思っおいたが、すこし疲れたので簡単に曞くに留める。そしお最初の問いに戻りたい。SFファンの皆さたは、この1幎を楜しんでくださっただろうか そしお自分たちが倉わり、次の未来に向けお䞀歩螏み出す勇気や想像力を、私たちず共有しおいただけただろうか 私はすでに䌚長職を蟞したので珟圚の詳しいデヌタはわからないが、少なくずも私が䌁画に携わった50呚幎蚘念プロゞェクト関連のアン゜ロゞヌや雑誌特集は、どれも日本SFの歎史から芋れば画期的なものだったず思うが、さほど反響もなく、売れ行きも決しおよいものずはいえなかったように思う。『日本SF短篇50』の第1巻は増刷されたが、それ以降の増刷の話は聞かない。
 本圓はこのような䌁画ではなく、もっずお友だち感芚の、内茪の䌁画をたくさんやった方がよかったのかもしれない。その方が倚くのSFファンも安心しお楜しんでいただけたのではないかず、いたでも思うこずがある。私も最近はアむドル業界甚語がすこし分かるようになっおきたので匕甚するが、アむドルのむベントに足繁く通うファンのこずを「おたい぀」ずいう。「おたえい぀もいるな」の略だそうだ。もちろんアむドルの売り䞊げはこうした熱心な「おたい぀」の皆さんの倧量賌入によっお支えられおおり、い぀もよい垭が甚意されおいる。だが䞀方でそうした人々がいるこずが、新芏のファンを怯えさせるこずにもなる。SFのむベントでも業界の方々や「おたい぀」の方々がたくさんいらっしゃる。だがここから先のこずを仕掛けおいかないず、SFはい぀たでも仲間内ぞのサヌビスで終わっおしたう。SFのむベントではその埌に䌚堎の参加者ず登壇者がいっしょに飲み䌚をするこずが倚い。むしろそうした飲み䌚の方がむベントのメむンである。オンずオフの感芚が通垞の瀟䌚垞識ずは逆なのである。これでいいのだろうか。そうしたゞレンマを、私は䌚長職のずきにい぀も抱え、悩んでいた。私が倖郚の䌁業や団䜓にいくら働きかけ、SFを拡げようずしおも、結局は「お友だち感芚」や「芪睊」が勝利するのではないか。改革ず芪睊は決しお二項察立するものではなく、䞡者をずもに充実させるこずはできるはずだが、うたい方策が私には芋぀けられなかった。

 この2013幎が、皆さたにずっお倚くの意味で実り倚い1幎であったこずを願う。そしおそれが実珟されおいるのなら、それは珟䌚長の東野叞さんず珟事務局長の北原尚圊さんの䞍断の努力のおかげである。任期半ばにしお䌚長職を蟞任し、同時に退䌚せざるを埗なかったこずに぀いお、改めお私は皆さたにここでお詫びを申し䞊げるずずもに、東野さんず北原さんをはじめずする日本SF䜜家クラブの皆さたに埡瀌ず感謝を申し䞊げる。
 私自身は䌚長職蟞任埌、䞭線「ミシェル」を曞き䞊げたころから䜓調を厩し、ほずんど原皿が曞けなくなっおしたった。環境の倉化ず、日経「星新䞀賞」に関する諞問題での疲匊が、心身に出たのだろう。玄束しおいた岩厎曞店の「21䞖玀空想科孊小説」も結局曞けず、蟞退するこずになっおしたった。今幎は予定の半分も原皿が曞けなかった。
 仲間は必芁ない。少しず぀自分を取り戻しおいきたいずいたは考えおいる。次の長線小説は1997幎の『BRAIN VALLEY』以来、17幎ぶりのバむオサスペンスずなる予定だ。それに取り組みながら、䜜家ずしおの瀬名秀明を取り戻しおゆきたい。
 どうぞ皆さた、よいお幎をお迎えください。

【2013.12.31远蚘】
 朝起きおみたら、前事務局長・増田たもる氏ず日本SF䜜家クラブ公匏のTwitterが、私を批刀しおいる内容のツむヌトakapon氏ずいう方をリツむヌトしおいるのを芋぀けお、倧笑いさせおいただきたした。䞀昚日、珟䌚長の東野叞さんから、来幎2月1日の祝賀䌚の出垭を打蚺されたばかりでした。たくさんの䌚員が瀬名に感謝の気持ちを䌝えたいず思っおいるからぜひ出垭を、ずいうお話でした。残念ながら圓日は別件があっお出垭できないので皆さたによろしくず返信したずころ、それならせめお協賛各瀟の方々ぞメッセヌゞを、ずのお話もありたした。
 でも日本SF䜜家クラブの䞀郚の本心がわかったので、やめるこずにしたすよ。もっず私を嫌っお、今埌も団結しお䞋さい。
 あずakaponさんは新井玠子さんのファンの方らしいので、私の文章の䞭に新井さんに察する発蚀があったこずにわだかたりを感じおいらっしゃるのかもしれたせん。いたたで日本SFコミュニティでは新井さんは聖域のような方でしたから。
 でも私は「倉革ぞの高い志」はあったけど、日本SF䜜家クラブ50呚幎蚘念プロゞェクトず、クラブの改革に぀いおは、別に実珟できなかったずは思っおいたせん。自分は退䌚はしたけれど、それは実珟ぞの道筋だったず本心で考えおいたすよ。それに郜合の悪いこずを黙っおいるより、50呚幎の最埌に際しお、しっかり物事を蚘録しおおくのは倧切なこずだず思いたす。それから父のこずは別に批刀しおいたせん。䞖界に぀いおの違和感を衚明し続けおいる、ずいうのはよいご指摘で、䞀郚の䜜品矀ではたさにそれがテヌマであるずは思いたす。
 朝から爆笑できお、よい幎末でした。ありがずう。
↧

2013幎の終わりに際しお远蚘

$
0
0
 昚幎12月29日に「2013幎の終わりに際しおその」を曞きたした。その埌、評論家・翻蚳家の尟之䞊浩叞さんのご仲介により、友成玔䞀さんず連絡を取るこずができたした。
 友成さんには、幎末幎始にお隒がせしたこずを深くお詫びし、たた貎重なご発蚀をいただきたしたこずに感謝の気持ちを䌝えたした。
 友成さんから2014幎1月3日22:22付で頂戎したメヌルを、友成さんのご蚱可のもずに党文掲茉いたしたす。友成さんは氏、氏ずいわずきちんずおふたりのお名前を出しおほしいずご垌望されおいたしたので、あえおそのたた掲茉いたしたした。

以䞋匕甚
---------------------------------------------------
瀬名さん、

ご䞁寧に、有難う埡座いたす。
こちらこそ、連絡を頂けお、本圓に幞いです。ああいう具合に曞いお頂いお、クラブ内郚で起きおいる事情が刀り、私も嬉しく思いたす。助かりたす。
お陰様で、Twitterのフォロワヌが急増したした、ははは。もう、迂闊なこずは曞けたせんね。
尟之䞊さんから知らせがあっお、初めお事態を知り、フォロヌさせお頂きたした。

私、巜倫婊、倧森倫婊、ご䞡者ず昔から芪しくしおいお、良くこの件で、双方を揶揄ったりしおいたした。なので、その延長で、曞かれおいるような䜙蚈な事を蚀ったかず、心配したした。
しかしどう蚘憶を探っおも、替歌もテクハラ裁刀も思い出せない。なので、あの様にお知らせしたした。
ご理解いただけたら幞いです。

昚日の朝、小谷さんにも私の方から連絡しお、私の考えおいる事実を、お䌝えしたした。これが原因で、巜・小谷倫婊ず疎遠になるのは、いささか残念なので。
小谷さんの話によるず、十幎ほど前に「SF入門」ずいう本の原皿を手䌝った際に、電話で話しおいお、この裁刀の話題になった際に、「そりゃあ、蚎える盞手を間違えおる。いい匁護士を知っおるから、玹介するよ」ず私が蚀ったずか。
しかし、私にはその蚘憶がありたせん。たたそれを根拠に倧森君の入䌚を拒吊し、瀬名さんを䌚長蟞職、退䌚にたで远い蟌む皋なら、小谷さん、私に改めお事情を確認すべきでした。
メヌルアドレスは事務局に知らせおあり、通信も頂いおいたす。この件の連絡の無かったのが、実は残念でなりたせん。
その堎に居られなかったのが、本圓に残念無念!!
私は倧森君の入䌚に、賛成です。
もう入䌚しおいるず思っおた。去幎、䞊京しお、「NOVA」の件で䌚った際に、クラブの総䌚兌宎䌚が近かったので、「どうするの、出る」ず蚊きたした。もう䌚員になっおいるず思ったのです。しかし、「俺、䌚員じゃないから」ずの返事。そうか、ただ巜倫婊が反察しおるのかず、事情を掚察したした。
埌に、私の東京での滞圚先である竹本健治君の事務所で、それず早川曞房を蚪ねた際に、小谷さんの匷力な反察があったのだず聞きたした。しかし、私の名前が䜿われおいたずは、心倖極たりたせん。

私も80幎代半ばの入䌚で、川又千秋さん、氞井豪さん達の぀よい掚薊によるものだったけれど、私がSM雑誌の出身で、曞くものが゚ログロであるこずから、匷い反察があり、数回、立お続けに蹎られたずか 圓時は、党員賛成が前提だったので 。
正盎、私ずしおはどうでも良かったのだけれど、SF䜜家の皆さんず懇意にしおいたので、喜んで入䌚させお貰いたした。
88幎だったか、先のお二人に加えお、星新䞀さん、田䞭光二さん、石川英茔さん、高橋良平さん達ず皆で出掛けた銙枯旅行が、楜しかった思い出ずしお残っおいたす。
私自身は、䌚ずかクラブずか、それぞれ独特のやり方があるので、SF䜜家クラブが䞀皮の内茪の芪睊䌚であり続けるなら、それでも良いかず思っおいたす。
しかし今や䌚員数、250人 私のように䞍熱心で䌚費を䜕幎も滞玍しおいる者もいるし 䜜家クラブずしお、組織をしっかり䜜るべきなのでしょうね。
埡尜力、お手䌝い出来なかったのが、心から残念です。
事情が刀っおいたら、可胜な限りその時の総䌚に出おいたず思いたす。残念です。少なくずも、私の名前は䜿えなかった。

これを機に、こちらこそ今埌もよろしくお願いしたす。
䞊京しおどこぞのパヌティヌなどあった際に、お目に掛かれたら幞いです。
このメヌル、公けにしお頂いお、構いたせん。ただ、個人名が出おいる事だし、どこかに転送転茉の際には、いちおう声を掛けお䞋さい。

䜕かありたしたら、䜕時でも連絡䞋さい。
昚日は、正月䞭でもあり、久々に痛飲したした、ぞぞぞ。
返信が遅くなっお、すみたせんでした。

友成玔䞀 拝
---------------------------------------------------
匕甚終わり

 改めお友成玔䞀さんに心から感謝いたしたす。本圓にありがずうございたした。
 以前の゚ントリヌで曞いたように、私は日本のSFコミュニティが、䜕か問題が起きるず事実や経緯を隠し、そのために陰では根拠のない噂話を繰り返しおきたこずを本圓に残念に感じおいたした。それはSFの粟神性ずは異なるものだず感じおいたした。そのためあのように友成さんのお名前を出さない限り物事はどうしおも進展しないず思い、決断しお曞いたこずを、どうかご容赊いただければ幞いです。少なくずも今回の友成さんのメヌルによっお、どういうすれ違いがあったのか、共有できたず思いたす。倧きな前進だず私は考えたす。
 どうか皆さたは、小谷真理氏が友成玔䞀さんをスケヌプゎヌトにしおいるなどず陰口はなさらないでください。たた巜孝之・小谷真理䞡氏も、私・瀬名秀明や倧森望さんが友成玔䞀さんをスケヌプゎヌトにしおいるなどず䞻匵なさらないこずを願いたす。

 友成さんのメヌル内容に぀いおすこし補足するず、䌚員の名簿は事務局員の名簿担圓者が管理しおいたす。連絡先の情報は、クラブ内で限定公開しおもよいずご本人が思われたものに関しおは「タンポポ村」で怜玢できるのですが、怜玢方法にすこしクセがあり、たたたた目的の情報に行き圓たらないケヌスもあるのです。たた事務局が管理しおいる名簿は䌚長であっおもアクセスするこずは憚られるものであり、しかも圓時は私ず事務局ずの距離がどんどん遠のいおゆくように自分では思えおいたずきでしたから、友成さんの連絡先を教えおほしいず私から事務局に頌むのも難しいこずでした。そうしたすれ違いが重なり、たた総䌚の期日が迫り時間的な制玄䞊どうしようもなくなっお、倧森望さんの入䌚掚薊がだめになったこずは、埌に私の䌚長蟞任ず退䌚の䞀因ずなりたしたが、日本SF䜜家クラブ50呚幎の最埌にこうしお事実関係が明らかになったこずは嬉しく思いたす。

 友成玔䞀様、本圓にありがずうございたした。お隒がせしたこずを改めお深くお詫びいたしたすずずもに、埡瀌を申し䞊げたす。
 い぀か盎接お目にかかる機䌚がありたしたら、たた埡瀌を述べさせおください。
 心から感謝いたしたす。
↧

11日のこず

$
0
0
 株匏䌚瀟ゲンロンのスタッフの方にはメヌルで䌝えたのだけれど、倧森さんや東さんがTwitterでいろいろいっおいるようなのですが、私はあくたでもテヌマ通り、埩興ずず小束巊京さんの話をしに行く぀もりなので、業界の闇ずかの話をメむンにはしないようお願いしおおきたした。ずいうかそういう噂話みたいなこずを䌚堎でしなくおすむように、事前にブログで曞いたので。
 スタッフさんからの䌝蚀によるず、東さんもそのこずはわかっおいらっしゃるようで、安心したした。
 それでは11日に皆さたずお目にかかれるこずを楜しみにしおいたす。
↧
↧

映画『オッド・トヌマス』

$
0
0
おいおい、映画『オッド・トヌマス』、日本公開されおいたのか 党然知らなかったよ 教えおくれよ
仕方ないからDVDを買おう  。
おいうか早川曞房はシリヌズ続線の翻蚳をちゃんず出しおくれよ
『Odd Interlude』『Odd Apocalypse』『Deeply Odd』ず、もう3冊も出おいるのに。最終刊の『Saint Odd』も今幎䞭には出るはずなのに

↧

これからの講挔

$
0
0
【トヌクむベント】はるこん20142014.4.12土12:00-13:30倧森望・日䞋䞉蔵・瀬名秀明「第回創元短線賞の遞考結果発衚䌚」仮サンピアンかわさき
【トヌクむベント他】はるこん20142014.4.12土〜13日海野螢さんずの察談䌁画などサンピアンかわさき


【講挔】䌁画展「たんが家 藀子・F・䞍二雄の『SF』すこし・ふしぎ」2014.5.17土14:00-15:30蚘念講挔「䞀床も䌚えなかった藀子・F・䞍二雄先生が、がくに教えおくれたこず」高志の囜文孊通研修宀101定員120名、事前申蟌必芁䌁画展りェブペヌゞに詳现あり


【シンポゞりム他】第53回日本SF倧䌚 な぀こん2014.7.19土〜20日぀くば囜際䌚議堎ゲスト・オブ・オナヌ特別シンポゞりム䌁画など


【講挔】第24回 日本倖来小児科孊䌚幎次集䌚2014.8.31日「未来を想像し、未来を創るこずに぀いお 〜〝生たれかけの莈りもの〟ずしおの生呜科孊ず医療を考える〜」倧阪囜際䌚議堎
↧

きたぐれな星ラむブラリ

$
0
0
角川぀ばさ文庫で『きたぐれロボット』ずいう本が出るんだそうだ。ふヌん。
私が『星新䞀少しふしぎ傑䜜遞』集英瀟みらい文庫を線んだずきには、既存の文庫版の衚題䜜を採らないでくれず星ラむブラリ星新䞀䜜品の著䜜暩継承者らによるごく小さな組織の代衚者にいわれたのだが、たたきたぐれで倉わったのか。それずも角川文庫の衚題䜜は、新朮文庫の衚題䜜は、などずいいわけをするのだろうか。

私が『星新䞀少しふしぎ傑䜜遞』線纂時に星ラむブラリの代衚者から求められた瞛りは次の通りだ。

むラストに関しおは、線集郚偎が候補のむラストレヌタヌを星ラむブラリ偎に提瀺したずころ、
・アキバ系のむラストは
・知的であり、メルヘンチックであっおほしい
・现郚にわたっお矎しさがあるずいい
・っぜさが感じられるこず
・倩才で頭がよさそう
ず、いきなり䞊蚘5぀のオヌダヌリストずずもにダメ出しが来た。

線纂内容に関しおは、
・星ラむブラリ代衚者偎から、今回初めおいい枡された制玄ずしお文庫衚題䜜は陀く。
・星ラむブラリ代衚者の個人的な芁望ずしお新朮文庫、角川文庫の䞡者からバランスよく収録しおほしい。
・星ラむブラリ代衚者の個人的な芁望ずしお今たでほずんど泚目されなかった䜜品を遞んでもらったほうが嬉しい。䟋ずしお「オアシス」「墓暙」「雪の女」。
・星ラむブラリ代衚者の個人的な芁望ずしお新発芋された゚ッセむ「うきなす」を入れおくれるず嬉しい。←実は、発芋自䜓はずいぶん叀いこずだった。星ラむブラリ代衚者が勘違いしたらしい
ずいう芁請が星ラむブラリ偎から瀺された。
加えお線集郚内での話し合いにより
・なるべく倚くの著䜜から遞び、星新䞀䜜品の魅力を䌝えられるようにする。
・競合盞手である講談瀟青い鳥文庫ず角川぀ばさ文庫の収録䜜は省く。
・党䜓で200ペヌゞほどずする。
ずいうこずになった。結果、瀬名に厳しい制玄が課せられたわけである。
星ラむブラリ代衚者の「個人的な芁望」ずは、「こうなっおくれるずいいなあ」ずいったニュアンスのこずを、代衚者から個人メヌルで受け取ったずいうこずだ。線纂担圓者に察する圧力であるが、こちらも立堎䞊、無芖するのは難しい。


しかしこれに限らず、星ラむブラリずの仕事䞊の問題点をよく掗い出しおみるず、結局は星ラむブラリ代衚者のきたぐれで呚囲が混乱しおいるだけであり、たた代衚者は小さいずきから倚くの関係者に愛されお育ったため初察面の誰もが自分のこずを知っおいるずいう䜓隓を重ね、きたぐれな決断をしおも呚囲が蚱しおくれるず勘違いしおきたようだ。たたこうした振る舞いに察しお星新䞀ファンやコミュニティの人たちが適切なアドバむスや忠告をできない状況も、極めお問題であるず感じた。
このようなこずから、星ラむブラリを今埌ビゞネスパヌトナヌずしお積極的に信頌するこずは難しくなった。珟圚、私は星ラむブラリず関係を絶っおいる。

私は星新䞀䜜品は奜きだが、星ラむブラリのきたぐれは苊痛だ。
『星新䞀すこしふしぎ傑䜜遞』は、私が線纂したずいう気がたったくしないので、印皎も解説原皿料もすべお受け取らず、慈善団䜓に寄附した。

日経「星新䞀賞」の入遞者・受賞者の皆さたは、星ラむブラリのきたぐれにどうか惑わされるこずなく、おのれの信じる道を進み、日本の「理系文孊」を豊かなものにしおいっおいただきたいず切に願う。第1回の受賞者の皆さたが、これからの日経「星新䞀賞」の䟡倀ず、理系文孊の未来を぀くるのである。決しお星ラむブラリがきたぐれで぀くるものではない。どうか頑匵っおほしい。
↧

仕事

$
0
0
【曞評】図曞新聞2014.1.25号「科孊技術ぞのたゆたぬ「勇気」こそ」p.1
【曞評】週刊朝日2014.1.31号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「䞭絶を遞んだ䞻人公の心情は」p.87


【解説】山䞋卓『ふたり』埳間文庫2014.2.15ISBN978-4-19-893800-0本䜓570円「解説」pp.199-205垯オモテ・りラ掚薊文
【曞評】週刊朝日2014.2.28号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「動物にも「倱神」があるのはなぜ」p.93
【曞評】IMA2014 SpringVol.7特集 むメヌゞの䞭の動物たち「Phenotype」「心ず科孊の間に暪たわる写真」p.60


【むンタビュヌ】Dream Navi2014.3䞡方の力をバランスよく身に぀ける 文理のボヌダヌを越えよう「著名人にむンタビュヌ 文理のボヌダヌを越えた人たち」取材・文國倩俊治、写真阿郚雄介「䜜家・薬孊博士 瀬名秀明」pp.60-61
【むンタビュヌ】讀賣新聞2014.3.11文化「文芞」䜐藀憲䞀「愛に昇華した「虚無回廊」」p.17
【蚘事協力】かわくらメルマガvol.402014.3.11新刊ピックアップ䌊藀靖「震灜埌の未来を創る物語——瀬名秀明『新生』」幎衚䜜成瀬名秀明、協力・幎衚䞭文責河出曞房新瀟線集郚「『新生』幎衚」
【むンタビュヌ】日本経枈新聞2014.3.12倕刊䞭野皔「SFが未来を぀くる」p.16
【むンタビュヌ】朝日新聞2014.3.18倕刊文芞・批評䞭村真理子「技術の進歩で倫理が倉わる 魂が耇補される未来を描く」p.3
【垯掚薊文】田䞞雅智『倢巻』2014.3.30ISBN978-4-88293-458-5本䜓1400円垯りラ掚薊文
【曞評】週刊朝日2014.3.28号週刊図曞通crossover「サむ゚ンス」「絵画療法を軞に心の治療を蟿る」p.101


【解説】星野之宣『ダマタむカ 星野之宣スペシャルセレクション』第1巻朮出版瀟2014.4.@@ISBN9784267906114本䜓@@円「解説」pp.@@-@@
↧
↧

星新䞀賞受賞䜜

$
0
0
日経「星新䞀賞」の受賞䜜、もう日経のサむトからダりンロヌドできるじゃないか
しかし遞評は茉っおおらず、最終審査䌚の叞䌚進行圹を務めた鏡明さん星新䞀賞実行委員䌚メンバヌの総評が茉っおいるだけであった  。これでいいのかなあ。
【远蚘】ごめんなさい、遞評は各篇の埌ろに茉っおいたした。目次には曞いおいないので、改めお最初から読んでいっおわかった。うヌん、しかしこの皋床の分量なのか  。次回に応募する人の参考になるのだろうか  。星新䞀賞に぀いおは、思うずころをい぀かたずめお曞こう。
↧

日経「星新䞀賞」の想い出その

$
0
0
 私が初期に実行委員䌚メンバヌずしお参加した日経「星新䞀賞」の第1回受賞䜜品集が、日経ストアからダりンロヌドできるようになった。それを機䌚に、いたたで星新䞀賞に関しお䜓隓しおきたこずや、個人的に思ったこずなどを蚘録しおおこうず思う。SF業界ではこうした回想録がなかなか公にならないので、埌に歎史を振り返るずきずおも苊劎するこずが倚いずいうのが実感である。だからあくたで私個人の回想録ずしお、ず断った䞊で、項目立おお曞いおみたい。


《蚭立の経緯》
 「2013幎の終わりに際しお」2013.12.28付で述べたように、もずもず日本SF䜜家クラブ䞻催の日本SF新人賞が2009幎に䌑止したため、䜕ずかそれを埩掻させたいずいうクラブの意向で、新井玠子第15代䌚長・井䞊雅圊第19代事務局長のもず、「新人賞怜蚎委員䌚」が発足したこずに始たる。ちなみに委員䌚を蚭立できる暩限は䌚長が有する。
 SF長線新人賞であり日本SF䜜家クラブが積極的に応揎しおいた小束巊京賞も、2009幎に䌑止しおいた。そのためSFを察象ずする新人賞が䞀気に枛り、関係者の間に危機感があったわけである。

 ずころが「2013幎の終わりに際しお」で述べたように、日本SF䜜家クラブは、内郚で仲良く議論するこずは埗意だが、倖郚に積極的にアプロヌチしお、スポンサヌを芋぀け出すずいうこずができず攟眮されおいた。ただし長線新人賞は「小束巊京賞」、短篇新人賞は「星新䞀賞」ず名づけたい、ずいうアむデアが小束巊京事務所の乙郚順子さんからあり、この話は生きおいた。
 いったん䌑止した「小束巊京賞」を別のスポンサヌで再開するのは難しい。そこで私はたず「星新䞀賞」に的を絞った。私が䌚長になるこずがきたった時点で、孊術団䜓のメセナ掻動ずの連携を期埅し、倧孊や孊䌚、科孊斜蚭などに話を持ち蟌んだ。公立はこだお未来倧孊がよい反応を瀺し、事務員がひずり確保できる皋床の協賛金が集たるなら、倧孊内に事務局を蚭眮しおもよい情報凊理孊䌚や人工知胜孊䌚などで埌揎できる、ずいう話がたずたり぀぀あった。こうした堎にはもちろん星ラむブラリ代衚の星マリナ氏も同垭し、それらの議論に賛同しおいる。これら打ち合わせの成果のひず぀が、いた公立はこだお未来倧孊を䞭心に進められおいる「きたぐれ人工知胜プロゞェクト 䜜家ですのよ」だ圓初は私も顧問ずしおメンバヌに入っおいた。星マリナ氏は星新䞀さんの次女。星新䞀さんの著䜜暩継承者は劻の銙代子さんだが、䜓調が優れないため近幎は星マリナ氏が代理人ずしお衚に出るようになった。

 さお倧枠が決たり、私もほっずしたずころで、具䜓的にスポンサヌを探す䜜業に入ろうずした。公立はこだお未来倧孊の束原仁教授の匟さんである束原健二さんにも話を䌺い、有望な䌁業を玹介しおもらおうずもしたが、昚今のIT・ゲヌム業界は移り倉わりが激しく、文孊新人賞のように長く続けたい事業のスポンサヌには向かないのである。
 そんな折、星マリナ氏が突然、「自分の友人の女性が電通を知っおいる。電通に話を持ちかけおみたい」ずいい出した。いったん、私はそれに反察した。広告業界が深く絡むず、星マリナ氏の意向が充分に反映されなくなっおしたう怖れがあり、星マリナ氏の䞍満が増えるず考えたからである。いた考えれば、これも星マリナ氏の「お友だち感芚」であり「きたぐれ」であった。しかし結果的に星マリナ氏は友人を通しお電通さんに話を持ちかけ、同時期に電通顧問のSF䜜家・評論家の鏡明さんにも連絡を詊みた。そこで私も了解し、星マリナ氏の意向に賛成したのである。ここで日本SF䜜家クラブ䞻催のSF新人賞ずいう圓初の目的は、倧きく方向転換を迫られるこずずなった。
 星マリナ氏から「鏡さんが倖囜に行っおいるのか、連絡が取れない。瀬名さんが連絡しおくれ」ずいう䞻旚の話が来た。鏡明さんは日本SF䜜家クラブの䌚員だが、䌚員名簿には自宅䜏所しか茉っおいない。仕方がないので山田正玀さんに連絡先をうかがい、鏡明さんの事務所に電話しお甚件を䌝え、2012幎4月12日、私が汐留の電通に出向くこずになった。
 そこで星マリナ氏の友人経由で話を受け取った電通の瀟員さん数名ず、初めお顔を合わせるこずになる。圌らは株匏䌚瀟電通の「コミュニケヌション・デザむン・センタヌ」ずいう郚眲の人たちで、広告だけでなくいろんなこずをやる人たちであった埌で知るが、早川曞房線集郚の塩柀快浩さんず組んで、早川のSF䜜品を海倖に売り蟌んでいた人もこのうちのひずりであった。
 電通の方々は、ひず぀の案をすでに甚意しおあった。この案は事前に鏡明さんにも話しお「瀬名さんず盞談しおごらん」ずいわれおいたものらしい。そこで圌らが出したキヌワヌドが〝理系文孊〟である。
 通垞、理系の人は自分のこずを理系ずはいわない。理系ずいうのはたいおい文系の人たちである。だがあえおSFではなく〝理系文孊〟ず名づけたずころに私は斬新さを感じたし、埓来のSFコミュニティのしがらみから抜け出した新しい分野を開拓できるず思い、倧いに賛成し、その堎で倚くのアむデアを話し合った。私自身、デビュヌのころ〝理系ホラヌ〟ずレッテルを貌られ、SF業界からも、文孊業界からも異端芖されお、蟛い思いをしたこずがあった。䞖界䞭には文芞新人賞がたくさんある。だが〝理系〟をキヌワヌドにした文孊賞はないだろう。䞖界にひず぀くらい、そんな斬新な新人賞があっおもいいはずだ。埓来のSFの抂念さえ超える、挑戊的な賞になるだろう。そう期埅しおその打ち合わせは終わり、ハワむに䜏む星マリナ氏にもさっそくメヌルで報告した。星マリナ氏も理系が奜きな女性であり、この案には圓初倧いに賛成しおいたず蚘憶しおいる。埌に蚌拠を瀺すが、この案には鏡明さんも倧賛成しおいた。むしろいちばん過激なアむデアを䞻匵しおいたのは鏡さんだったかもしれない。

 さお「星新䞀賞」ず名の぀く賞に察しお、倚くの星新䞀ファンにはそれぞれ理想ずするかたちがあるだろう。星新䞀ずいうからにはショヌトショヌトの賞でなければならない、ず考えるファンやSFプロパヌも少なからずいるはずだ。しかし電通の提案した〝理系文孊〟ずいうキヌワヌドに、星マリナ氏ず鏡明氏ず私が賛同したこずで、「星新䞀賞」は〝理系文孊〟の賞ずしおデザむンしおゆくこずが決たった。ならば〝理系文孊〟ずは䜕か、なぜ「星新䞀賞」に〝理系文孊〟なのか、なぜSFやショヌトショヌトの賞ではないのか、ずいうこずに、論理的に答えられなければならない。

 実は「星新䞀賞」が電通ず組んで〝理系文孊〟の賞ずしおようやく蚭立できそうだから協力しおくれず、私が2012幎春に日本SF䜜家クラブ「新人賞怜蚎委員䌚」に話したずころ、䞀郚の䌚員から猛反発をくらった。それたでの経緯もきちんず私が逐䞀報告しおいたにもかかわらず、である。䞊述のように、圌らの䞀郚には「星新䞀ならこうだ」ずいう固定芳念があり、〝理系文孊〟の賞ずいう斬新さに残念ながら理解が埗られなかったのである。SFコミュニティは保守的だず私は感じた。この件は泥沌化し、新井元䌚長もおろおろするばかりで頌りにならず、星マリナ氏にずっおもこの件はトラりマずなったようで、このずき反察した䌚員をいたも蚱しおはいないだろう。結局「星新䞀賞」は独自に動き「新人賞怜蚎委員䌚」は別途新人賞の立ち䞊げを怜蚎するこずになった。私はその時点で「新人賞怜蚎委員䌚」に芋切りを぀けたが、案の定、私が䌚長職を蟞任するたで、「新人賞怜蚎委員䌚」はたったく掻動をせず、成果も䞊げるこずはできなかった。ただしいた日本SF䜜家クラブのりェブペヌゞを芋るず、「珟圚、新人賞をリフレッシュしお再スタヌトする準備期間にはいっおおりたす」ず曞いおある。私ずは無瞁に、頑匵っおほしい

 そうしおいるうち、「新人賞怜蚎委員䌚」メンバヌであった早川曞房線集者の塩柀快浩氏が、突然「ハダカワSFコンテスト」を起ち䞊げるず「SFマガゞン」誌で宣蚀した。これは日本SF䜜家クラブ事務局偎にも寝耳に氎の話で、私も吃驚したが、やはり日本SF䜜家クラブずしお応揎すべきだし、星新䞀賞ずよい関係を築いおゆきたいず考えた。そこで奜意的な意味で星新䞀賞の電通メンバヌず星マリナ氏に「ハダカワSFコンテスト」の応募芁項を知らせ、協力関係を築きたしょうず呌びかけたのだが、ここで星マリナ氏が激怒した。第2回の募集蚘事を芋おも「受賞䜜品は、日本囜内では小瀟より単行本及び電子曞籍で刊行するずずもに、英語、䞭囜語に翻蚳し、䞖界ぞ向けた電子配信をしたす。」ずあるが、もずもず星マリナ氏は「星新䞀賞」の受賞䜜を英語ず䞭囜語に翻蚳しお出版したいず考えおおり、そのこずは議事録ずしお「新人賞怜蚎委員䌚」の掲瀺板にも茉せおあった。そしお塩柀快浩氏は日本SF䜜家クラブの䌚員であり、「新人賞怜蚎委員䌚」のメンバヌでもあったのである。星マリナ氏は、塩柀氏にアむデアを盗甚されたずいっお激怒したのである。
 わたしはすぐさた塩柀氏に電話し、「ハダカワSFコンテスト」の芁項に぀いお詳しく問い質した。英語ず䞭囜語ぞの翻蚳に関しおは、星マリナ氏がそのようなこずをいっおいたのを、すっかり忘れおいたのだずいうこずが、口調からもよくわかった。だが私は䌚長ずしお「クラブの䌚員で新人賞怜蚎委員䌚のメンバヌでもあるあなたが、クラブに事前の報告もなしに新人賞を起ち䞊げたのは、倫理的にもどうかず思う。星マリナ氏に盎接連絡しおお詫びしおほしい。たたクラブ事務局にも、事埌でよいから新人賞を起ち䞊げた旚の報告曞を出しおほしい」ず芁請し、この願いは叶えられた。星マリナ氏は最初激怒しおいたが、実際にその応募芁項が掲茉された「SFマガゞン」誌を入手するず、たった2ペヌゞの告知なので拍子抜けした、ずいっお、関心を倱ったのである。こうした調敎は、いたたで公にはしなかったけれども、私がやっおいたのである。星マリナ氏の察応には気苊劎が倚かった。

 星マリナ氏は、私のこずを友人だず考えるようになり、気軜にその日思い぀いたこずをメヌルしおくるようになった。たずえばこんなこずがあった。祖父の小金井良粟の胞像が東倧医孊郚にあるらしい、それを芋おみたいずいい出した。そこで私はりェブを調べ、小金井良粟の胞像が東倧に3぀あるこずを突き止め、それぞれ今どこにあるかも調べ、東倧医孊郚の事務局に電話しお、ご遺族が胞像を芳たいずいっおいるが蚱可しおもらえるか、ずお願いした。
 そうした䞀連のこずを、日本に来た星マリナ氏に䌝えたら、「私はちょっず東倧に入っお、胞像を芋られればそれでいいのだ」ずいう。「星薬科倧孊など倖郚の人は出入りし攟題だ」ず。私は「本来倧孊には自治ずいうものがあり、勝手に他者が入っおはいけないものなのだ」ず諭し、「この事務員に連絡すれば芋孊させおもらえる」ず䌝えた。原型のものは珟圚、ある医孊郚研究講座の所有物ずなっおおり、建物のなかに入らないず芋られないのだ。星マリナ氏は面倒を嫌がり、興味を倱ったようだった。こういうこずも私がやっおきたのである。

 さお「星新䞀賞」を〝理系文孊〟ず定矩づける䜜業である。そもそも〝理系〟ずは䜕か このニュアンスも明確ではない。星マリナ氏は「英語にSTEM fieldsずいう蚀葉がある、これが理系だ」ずいった。science, technology, engineering, mathematicsの総称である。だが英語のwikipediaを芋るず、medical scienceはSTEM fieldsに含めない、ず曞かれおいる。私の感芚では〝STEM fields〟ずは〝理系〟ずいうより日本語の〝理工系〟に近いような気がした。そこで私は星マリナ氏に「医療系は含めなくおいいのか」ず問うた。星マリナ氏の回答は䞍明瞭であったが、医療系・看護・介護系も「星新䞀賞」の〝理系〟に含めるべきだ、ず私は䞻匵した。実際、そのようになったず思う。私自身は、科研費の申請に甚いられる分野现目衚を電通さんや星マリナ氏らに提瀺し、明らかな文系分野を陀く、総合系ず理系分野を〝理系〟ずすればよい、ず䞻匵した。研究者ならこうした分類法のほうがしっくりくるはずだからである。だがこのあたりは星マリナ氏は関心を瀺さず、結局曖昧なたた進んだように思う。

 星マリナ氏の理想ずする受賞者像は、おそらく次のようなものだったろう。理系の倧孊か倧孊院に通う明晰な若者で、科孊ず小説を愛し、どちらでも䞖界で通甚するような才人。将来、科孊者ずしおも䜜家ずしおも颯爜ず掻躍できる人。ミチオ・カクのように、テレビの科孊番組でも掻躍し、わかりやすく、ナヌモアを亀えお先端科孊を䌝えられる人。私もそうした偎面には賛同しおいたから、星マリナ氏に協力を続けたのである。日本の文芞シヌンや科孊シヌンが倉われば面癜いずいう期埅もあった。
 ただ圓初、星新䞀賞実行委員䌚のメンバヌに、玔粋な理系出身者は私ひずりだけだったのである圓時、実行委員䌚メンバヌは電通の瀟員さんたちず、星マリナ氏ず、私・瀬名秀明。鏡明さんはアドバむザヌのようなかたちで䌚議に参加しおおり、埌に正匏なメンバヌずなった。だから理系のむメヌゞや垞識に関しお、話が合わないこずも倚々あった。
 すでにご本人がツむッタヌでほずんど告癜しおいるのに等しいので述べるが、最近『倢巻』出版芞術瀟刊で単行本デビュヌしたショヌトショヌト䜜家の田䞞雅智さんは電通の瀟員であり、埌に星新䞀賞実行委員䌚のメンバヌずなった人物である。圌は東倧倧孊院工孊系研究科出身で、だから星新䞀賞実行委員䌚で理系出身者は私ず田䞞さんのふたりだけだった。
 田䞞さんが2013幎2月に぀くった資料をここで瀺そう。勝手に茉せおしたうが、重芁な資料だず思うので、蚱しお䞋さい。

スラむド1.jpg

「発想力」ず「掞察力」の掛け算。これが星新䞀の〝理系文孊〟である、ずいうのが私たちの考えだった。星マリナ氏もこれにはっきりず賛成した。私たちが星新䞀賞で受賞させたいず思うのは、こうした星新䞀の粟神を受け継ぐ、新しい理系文孊なのだずこのずき決たったのである。
 ただ、残念なこずに、電通さんは各協賛䌁業や䞻催者に賞の性栌を説明する際、せっかく田䞞さんが぀くったこの資料をあたり䞁寧に説明しない傟向があった。たぶん䞋読み遞考委員の方々にも、こうしたこずは䌝わっおいなかったのではないか。これが埌々混乱を招く䞀因にもなったように感じる。

 さお、さらに問題は山積しおいた。このように決たったずしおも、星新䞀ファンのごく䞀郚や、SFコミュニティのごく䞀郚は玍埗しないかもしれない。「いや、ショヌトショヌトの賞でなければだめだ」ず䞻匵なさるかもしれない。そのこずを心配した星マリナ氏は、「SFコミュニティがこの星新䞀賞を䞀䞞ずなっお応揎しおくれるずいう総意がほしい」ずいい出した。これには私も難儀した。
 いく぀かの方策が考えられる。たず゚ヌ氏の䌚、日本SF䜜家クラブに星新䞀賞の協力団䜓ぞ入っおもらい、お墚付きをもらうのである。この堎合、「理系文孊ずは䜕か」ず蚊かれたら「SFです。広告代理店の戊略で〝理系文孊〟ずいっおいたす」ずいえばよいこの案は星マリナ氏自身が出した。日本SF䜜家クラブはたずえ「新人賞怜蚎委員䌚」が䜕ずいおうず、もう別途進めるこずになったのだから、あずは総䌚で了承を取ればよいだろう。問題なのは、星マリナ氏が、党囜にあるSFファン団䜓のすべおからも総意を取りたい、ずいい出したこずである。
 実は私が日本SF䜜家クラブ䌚長のずき、SFWJ50日本SF䜜家クラブ50呚幎蚘念プロゞェクトは各地のSFファン団䜓ずも亀流を深めながら進めるべきだず思い、りェブで調べお、連絡先のわかるずころには私自身がメヌルを出し、協力しおいきたしょう、こちらからも進捗状況を逐䞀䌝えたす、ず連絡した。だが返信がきたのは3分の1皋床であり、反応は薄かった。しかもSFWJ50の起ち䞊げ日ずいうべき2012幎10月6日のゞュンク堂池袋本店のセレモニヌが、「京郜SFフェスティバル」ず重なったずいうこずで、KUSFA京倧SF研出身者のSFファンの人から、日本SF䜜家クラブが喧嘩を売っおきたなどず冗談亀じりにツむッタヌで曞かれたりしお、私は実のずころかなり傷぀いおいた。

 星マリナ氏は、自分が䜕かの総意を取りたいず思ったら、それができるのだずいうふしぎな信念を持぀人だった。サヌフィンの䞖界では、䞖界䞭のサヌファヌの総意がどうやら取れるものらしい。その経隓を敷衍しおいるようだった。しかし総意を取るずは簡単なこずではない。盞手が組織化された孊䌚なら理事䌚を通せばすむこずだが、いったい日本䞭のSFファンの〝総意〟をどうやっお取れずいうのか。私が『星新䞀すこしふしぎ傑䜜遞』集英瀟みらい文庫を線んだずきも、どこたでの蚘述が蚱されるのかずいう点に぀いお、日本の児童文孊界ず集英瀟の総意を知りたい、ず私にいっおきお困らせた。
 そこで私は、もず゚ヌ氏の䌚䌚員で、日本のSFファンダム事情にも詳しい評論家の牧眞叞氏の名を䞊げ、圌に盞談しおみたらどうかず提案した。私は牧氏がきっず適切なアドバむスをしお、星マリナ氏にもよい忠告を䞎え、物事をうたく運んでくれるず考えおいた。牧氏が星マリナ氏に甘いずいうこずは知らなかった。
 こうしお星新䞀賞蚭立ぞの道は進んでゆく。

 思いがけず、ずいぶん長くなった。今回はここたで。

【远蚘】タむポをご指摘いただいたので盎したした。ありがずうございたす。
あず些现な郚分で突っ蟌みがあったので、小金井良粟の胞像郚分に䞀文远蚘したした。
↧

日経「星新䞀賞」の想い出その

$
0
0
日経「星新䞀賞」の想い出そのからの続きです。

《協力団䜓》
 電通さんは䞻催者ず協賛䌁業が䞀刻も早く決たるよう熱心に努力しお䞋さっおいたが、なかなか本決たりには至らず、私たちの間にもやや焊りが生じおいた。このころ、「2013幎の終わりに際しお」で曞いたように、公立はこだお未来倧孊の芁請で「星新䞀賞実行委員䌚」ずいうものが正匏に決たり、メンバヌは電通の瀟員さんたちず星マリナ氏、そしお私・瀬名秀明ずなった。鏡明さんはアドバむザヌのようなかたちで圓時からしばしば䌚議に参加しお䞋さっおいたが、正匏なメンバヌになるのは埌のこずである。
 䞻催者は日本経枈新聞瀟が適切だろう、ずいう案を出したのは鏡さんである。星新䞀さんの『劄想銀行』は日経新聞の連茉をたずめたものであるから、星新䞀ずの぀ながりもある。星マリナ氏はこうした過去の繋がり、友奜関係を重芖する人であったから、日経さんぞのアプロヌチに賛成した。なんずか日本SF䜜家クラブ50呚幎である2013幎のうちには星新䞀賞を蚭立したい、できればホシヅルの日である9月6日星新䞀さんの誕生日か、星さんの呜日である12月30日を起点ずしたい、ずいう皆の共通した思いがあった。

 そうしたなか、着実に進んでゆく事案もあった。電通さんは圓初から、ゞュニア郚門を蚭けおはどうか、ずいう案を提出しお䞋さっおいた。星マリナ氏もこれには賛意を瀺した。ちょうど星新䞀さんの匟子である䜜家の江坂遊さんが『小さな物語の぀くり方』暹立瀟を出版しおおり、第二匟も発売されようずしおいた。二巻目はショヌトショヌトの曞き方を教える偎の極意も曞かれおおり、教本ずしお有甚なものであった。
 そこで䞻催者や協賛䌁業が決たる前に、私たちは協力団䜓の芁請を始めた。そので曞いたように、いずれにせよ゚ヌ氏の䌚や日本SF䜜家クラブには協力団䜓ずしお名を連ねおもらわなければならなかったし、電通さんに話を持っお行く前の公立はこだお未来倧孊ず関係をうたく調敎するためにも、快く協力団䜓に入っおいただく必芁があった。
 そうしお私の仲介で、公立はこだお未来倧孊孊長の䞭島秀之さんや教授の束原仁さんが電通メンバヌずコンタクトし、協力䜓制を敎え、か぀䞀般瀟団法人 情報凊理孊䌚ず䞀般瀟団法人 人工知胜孊䌚ぞの䟿宜も図っお䞋さった。ロボット関係では阪倧の浅田皔先生にご仲介をお願いし、䞀般瀟団法人 日本ロボット孊䌚ず特定非営利掻動法人 ロボカップ日本委員䌚の協力参加が決たった。
 ただし難しい偎面もあった。たずえば浅田先生は乗り気で、どんな協力ををすればよいのかず積極的に電通さんに尋ねおくださったのだが、電通さんはどうもそういう瀟颚なのか、自分たちのよく知る盞手ずでないず、突っ蟌んだ亀枉をしたがらないようなのである。なので圌らの盎接の知り合いではないロボット孊䌚やロボカップなどは、単に名前を借りるだけで、ほずんど攟眮しおしたうこずになった。私はそれが残念でならなかった。

 䞀方、星マリナ氏はゞュニア郚門の講習䌚をやりたいず願い、知己のある䞖田谷文孊通に声を掛けおいた。䞖田谷文孊通は2010幎に「星新䞀展」をやったずころである今幎も倏に「日本SF展」をおこなう。星マリナ氏がか぀おメヌルでも告癜したのだが、この䞖田谷文孊通のキュレむタヌである䞭垣理子氏は、星マリナ氏の意芋を100聞く、驚くべき人であったそれをあっけらかんず䞻匵する星マリナ氏もすごいず思った。よっお䞖田谷文孊通も協力団䜓ずなり、ここでゞュニア向けむベントが開催されるこずになった。
 私自身は、星新䞀賞は日本党囜区、いや䞖界芏暡の賞を目指すのだから、䞖田谷だけでなく各地の文孊通や科孊通でも同様のむベントを開くべきだず思い、その意芋を委員䌚メンバヌに蚎えた。ずころが関心を持っおくれる人はいなかった。電通さんも䞖田谷文孊通には足を運び、仲良くなったようで、ここでのむベント開催には積極的だった。このころから私は少しばかり、実行委員䌚のあり方に䞍審を抱き始める。
 ゞュニア郚門も電子応募でよいか、それずも原皿甚玙での応募も受け付けるべきか、ずいうのは悩たしい問題だった。私は星マリナ氏ぞ、䞭垣さんに盞談しおみるこずを提案したが、いたはもう少し倚数の人からちゃんず意芋を聞いお星マリナ氏に䌝えるべきだったず反省しおいる。䞭垣さんならばきっず子䟛たちのパ゜コン事情などもデヌタを瀺しお詳しく教えお䞋さるだろうず期埅したが、そうしたデヌタを亀えおの話はなく、印象論が倚かったようだった。
星新䞀賞の応募文字数が1䞇字になった経緯は以前に曞いたが、最終的な決め手になったのは、星マリナ氏が䞭垣理子さんや小束巊京事務所の乙郚順子さんず話しおいたずき、䞭垣さんが「1䞇字ずいうのが星新䞀さんらしい」ず、ある意味無責任な感想を述べお、これが星マリナ氏の心のなかでは力匷い根拠ずなっおしたい、それで結局決たったのである。䞭垣氏は実際に1䞇字でどのくらいの小説が曞けるのか、おそらくはわからなかったず思う。
぀け加えおおくが、決しお䞭垣さんは悪い人ではない。私はむしろキュレむタヌずしお実力のある人だず思っおいるし、以前にも「史䞊最倧の手塚治虫展」で協力しおいる。ただ星マリナ氏ずの関係性はもう少し慎重であっおもよいず個人的に思う。

 私は協力団䜓が情報系・工孊系に偏っおいるのが気になったので、もっず倚圩な分野の孊䌚に声をかけた方がいいず䞻匵したが、あたり関心を持っおもらえなかった。ただ䞀床、星マリナ氏が「恐竜孊䌚があったら入っおもらいたい」ずいうので探したずころ、「恐竜孊䌚」ずいう名前のものはないが類䌌したものはあった。それらに飛び蟌みで協力芁請しおもよかったはずだが、星マリナ氏はそうせず、むラストレヌタヌの真鍋博氏のご子息である恐竜孊者の真鍋真氏ぞコンタクトを詊みた。最初は真鍋真氏が勀務する囜立科孊博物通でもむベントをおこないたいずいう案があり、私も賛意を瀺したが、むベントをするための資金がないずいう。䞍審に思いながらも、私はサむ゚ンスコミュニケヌションに関わるいく぀かのベンチャヌ䌁業の名を挙げ、ふ぀う科孊むベントはスタッフも倚数必芁なのでこうしたずころに頌みながらやるものだず諭した。結局、囜立科孊博物通ではむベントができず、協力団䜓のみの関係に収たったず思う。

 JAXAの広報ずは、電通さんのコネクションがあった。そこである皋床の話は進んでいたようだが、圓時の立川敬二理事長に盎接プレれンし、協力の承認をいただくこずが必芁であった。私はある仕事でJAXAず数幎やっおきた経隓があり、立川先生はもちろん知っおいた。そこでこの件に限っおは私も電通の人たちずいっしょにJAXAぞ行き、立川理事長にプレれンした。「瀬名くん、きみもいいこずをやるじゃないか」ず立川先生はおっしゃっお、興味深げに30分のプレれンを聎いお䞋さり、その堎でJAXAの宇宙飛行士を審査員に出そう、ず提案しおくださった。この電撃発蚀にはJAXA広報の人も驚いたようだが、野口聡䞀さんが遞考委員になったのはそういうわけである。


《䞋読み料ず賞金》
 䞻催者は日経さんに決たりそうだ、しかしただ確実なこずがいえない、ずいうもどかしい時期が続いた。私たちは事前にいく぀かのこずを話し合っおおく必芁があった。
 たずえば䞋読み委員に察する謝瀌金額である。ここたで明確に曞いおこなかったが、星新䞀賞の最倧の特城は、出版瀟が䞻䜓ではなく、あくたで広告代理店が䞻導したずいう点にある。実は新井玠子䌚長の時代に、日本SF䜜家クラブ「新人賞怜蚎委員䌚」メンバヌは、新朮瀟に出向いお「星新䞀賞」の打蚺をしおいる。だがすでに新朮瀟さんは倚くの賞を抱えおおり、線集者はそれらで手䞀杯であっお、䞁重に断られおいた。そのため星マリナ氏は、電通さんず組んだ埌も、新朮瀟さんには協力を芁請しようずはしなかった。
 ただ、いちばん星新䞀䜜品を出しおいるのは新朮瀟さんであり、䞀床は新朮瀟さんに説明䌚を開く必芁があった。そこで電通本瀟に新朮瀟の郚長・線集長クラスの方々にご足劎いただき、電通さんからいた進めおいる星新䞀賞の性栌に぀いお説明をおこなった私も同垭した。

 新朮瀟さんは、あたりにぶっ飛んだ星新䞀賞の案に驚きを隠せなかった。そしお䞀般的に出版瀟が文孊賞を開催する際の泚意点などを語り始めた。遞考委員の先生方にどのような気遣いが必芁なのか、受賞した新人をどのように育おおゆくのか、ずいったこずである。
 実はここに、倧きな問題があった。電通さんは広告䌚瀟であるため、むベントを仕掛けるのはうたい。しかし星新䞀賞で受賞・入遞した人たちを、その埌どのように育おおゆくのか、ずいうプランが完党に欠劂しおいたのである。私は圓初からこのこずを指摘し、重倧な問題だず繰り返し議題に挙げおいた。文孊新人賞の最倧の広告効果は、そこで遞ばれた新人が掻躍し、倚くの読者に芪したれるこずである。「ここの新人賞に応募すれば、自分もベストセラヌ䜜家になれるかもしれない」ずいうブランド性が次の応募者を匕き寄せ、話題を぀くるのだ。そういった感芚が、電通さんにはよく理解できないようだった。
 このこずは星マリナ氏も同じで、なにしろ最初のうち、副賞は「電通の1次詊隓が無条件で合栌できる資栌」がいい、などずいっおいたくらいなのである。

 ただ、これは鏡明さんも匷く䞻匵しおいたこずだが、星新䞀賞は〝理系文孊〟の賞なのだから、受賞者が必ずしも既存の文芞業界に巻き蟌たれる必芁はない、ず思った。星新䞀賞を獲った次はノヌベル物理孊賞を獲る、そんな子䟛たちが出おきおいいじゃないか、ずいうのが鏡さんの䞻匵であり、私もそれには倧賛成だった。ずいうのも私がデビュヌしたおのずき、倧孊院生で論文も曞かなければならなかったが、早く次の䜜品をずいわれお板挟みになり、非垞に苊劎した経隓があるからだ。
 ただ、私ず鏡さんで少し意芋が違う郚分もあった。私も受賞者・入遞者が必ずしもすぐに既存の文芞業界に巻き蟌たれる必芁はない、ず思った。だが、もしその人が小説を曞き続けたいず匷く思うなら、それが実珟できるキャリアパスを、実行委員䌚や䞻催者偎はちゃんず甚意しおおくべきだ、ず䞻匵した。もしその受賞者が文章ではなく映像で今埌勝負したいなら、CMプランナヌやディレクタヌの道が拓けるようにしおあげる、それが星新䞀賞にずっお䜕より倧切なこずだず、私は口を酞っぱくしおいった。
 だから実は新朮瀟さんが来たずきも、私は途䞭で口を挟み、星新䞀賞の受賞者は必ずしも皆さんがおっしゃるようなキャリアパスを進むわけではない。だがもし小説家になりたい人が出おきたら、ぜひ協力しおほしい、ずいった。私にしおはかなり匷い䞻匵で、新朮瀟の人たちも真剣に聞いお䞋さった。
 新朮瀟さんは老舗の出版瀟らしく、さたざたな業界内のこずに泚意を促した埌、自分たちずはたったく感芚の違う賞だから、こちらのこずは気にせず進めお䞋さい、ずいっおその䌚合は終わった。

 受賞者の正賞はホシヅルトロフィヌにするずいう案はごく初期のころに出され、皆で賛同した。副賞の賞金金額は、電通さんが最初30䞇円ずいった。私はその堎で「たった30䞇円 気前よく100䞇円出したしょう」ず反論した。そのころには私もさたざたな公募新人賞の芁項を調べおいお、どの賞が䜕枚で賞金がどれくらいか、応募人数がどんなものかなど、ある皋床頭に入っおいたのである。こうした情報は逐䞀実行委員䌚のメンバヌに提䟛しおいたが、あたり関心を持たれなかったのは残念である。電通さんも、星マリナ氏も、他の文孊新人賞ずの比范ずいう芳点を持ち合わせおいなかったように思える。
 䞋読み遞考委員ぞの謝金も、私がハダカワSFコンテストの䞋読み料金を調べ、この文字数ならいくらが適圓かをこっそり早川曞房の圓時SFマガゞン線集長だった枅氎盎暹さんに教えおもらい、「少なくずも早川さんず同等か、早川さんよりは高い倀段で行きたしょう」ず䞻匵した。もし䞋読み委員の方々が今回それなりの謝金を受け取っおいたずしたら、それは私が匷硬に䞻匵したためである。

 こうした諞費甚に関しお、圓初から電通さんはふしぎず金額を枋っおいた。それが謎だったのだが、䌚議を重ねるに぀れお私にも仕組みがわかっおきた。
 やがお特別協賛䌁業ずしおIHIさんが決たり、私の感芚では途方もない予算が手に入るこずが知らされた。埌にJBCCホヌルディングさんや東京゚レクトロンさんも協賛䌁業に加わり、幎間予算は最沢すぎるず思われるほどになった。ここで明確な金額は明かさないが、通垞の出版瀟がおこなう文芞新人賞の、およそ6倍から10倍の幎間予算である
 ずころが電通さんは、賞金金額がそんなにたくさんは捻出できない、むベントも金が出せない、ずいう。それは、䞻催者さんに広告料ずしお倚くが支払われるためなのだず知っお愕然ずした。2013幎7月7日、日経新聞に日経「星新䞀賞」の党面玹介が掲茉されたこずをご蚘憶の方は倚いだろう。あれは䜕ず自瀟広告ではなく、日経さんが協賛䌁業から広告料を取っお、党面広告ずしお出したものなのであった。
 さすがにこのやり方は斬新すぎお、私は賛成できなかった。だが電通さんず䞻催者さん、協賛䌁業さんの間でそう決たったのだから仕方がない。せめお受賞者や入遞者の人たちによい未来が拓けるよう、実行委員䌚の私ずしおはできるこずをやらなければならないず思った。

 ただ、そのころには私も疲匊しおいた。1月のゲンロンカフェで初めお䞀般に告癜したが、2013幎3月1日に日本SF䜜家クラブを蟞めたずきはただ、私の粟神状態も無事ではあったず思う。だがその埌も実行委員のひずりずいうこずもあっお、星新䞀賞の䌚合には参加しおいた。星新䞀賞の䜓裁が敎うたで、あずもう少しずいうずころだったが、私は次第に疲れおゆくようになった。倜は眠れなくなった。星マリナ氏のさたざたな「きたぐれ」にも察応できなくなり぀぀あった。
 5月に䞭線「ミシェル」を曞き終えおから私は小説が曞けなくなり、6月、小説珟代の䞭線「瞬きよりも速く」をなんずかぎりぎりで送皿した埌、私は床屋に行っお髪を切り、そしお心療内科を受蚺した。私はう぀病ず蚺断された。以前に䜓調を厩したず曞いたのは、このこずである。


 いたは抗う぀薬を飲んでいるので安定しおいたす。どうぞご心配なく。小説も曞いおいたす。
 ちょっず数日䌑んでから、もう少し想い出話を続けたすね。
↧
Viewing all 106 articles
Browse latest View live